東京都内の新型コロナ感染者数が10週連続で増加していることが分かりました。東京都の小池知事は7月19日の会見で、東京都医師会が求めている新型コロナの治療費支援について「現時点で予定はない」という考えを示しました。
都内の新型コロナ感染者数は、7月14日までの1週間で1医療機関当たり7.56人で、前週の7.14人から増加しました。感染者数は4月末から10週連続で増加しています。
感染者数が増加し続ける中、東京都医師会の尾﨑治夫会長は16日に開いた会見で「『薬を飲みますか』と言っても『そんなに高いのなら我慢します』という話になってしまう」と述べ、費用が高額なため治療をしない患者が出てきていることへの懸念を示しました。そして期間を限定した上で、治療費の一部支援を行ってほしいと国と都に要望しました。
これに対し、小池知事は19日の会見で「現時点で都としてということはない。まずはしっかりと予防してほしい」と述べました。
新型コロナの感染者が増加する中、政府が65歳以上の高齢者や心臓などに基礎疾患を持つ60歳から64歳を対象にした新型コロナワクチンの定期接種を、10月1日から始めることが分かりました。接種期間は来年(2025年)3月31日までの間で各自治体が決めることになっていて、準備が整った自治体・医療機関から順次接種できるようになります。自己負担額は自治体によって異なりますが、最大7000円となるよう、国が自治体に助成金を支給します。
<新型コロナ感染者増も警戒基準なし>
新型コロナの都内の感染者数は7月14日までの1週間で1医療機関当たり7.56人で、増加傾向にあります。この「1医療機関当たりの数字」というのは、2023年5月の5類移行に伴って発表されるようになった数字で、指定された都内400余りの医療機関での患者数を平均したものです。
都はこの数値が増加傾向にあるとして注意を呼びかけてはいますが、「警報」を出すなどの“流行していることを判断する明確な基準”というものは設けていません。ちなみに手足口病では「5人」で警報レベルとなっています。
小池知事はこの日の会見で「基準がないことで警戒感が薄れるという声もあるが、今後どう呼びかけるのか」と問われると「いろいろな方法で皆さんには伝えるし、これまでと同じような形だがコロナ対策はしっかり行ってほしい」と話すにとどめました。
また、基準を設けない理由について東京都は、5類に移行した2023年5月の時点で「基準は国が決めるもので、国がその基準を設けていないから」と説明していました。都の担当者は「5類移行に伴って、基準を設けるよう国に求めていた」とした上で、基準がいまだ設けられていない現状について「今も国の基準はない。全国的に捉えるべきもので、都独自の基準を設けるのは難しい」としています。
「明確な基準はないものの、感染が広がっている」として予防を呼びかけているのが現状で、どこまで警戒を強めるべきなのか難しいところもありそうです。
この記事が気に入ったら
「TOKYO MX」 公式
Facebookアカウントを
いいね!してね