東京都内の多くの公立小学校で7月19日に終業式が行われ、子どもたちにとっては楽しい夏休みが始まります。この夏、観光業からは期待の声が挙がる一方で、歴史的な円安もあり、街からは「海外旅行には行かず国内で過ごす」という声が聞かれました。
葛飾区にある葛飾小学校では7月19日、熱中症対策として冷房の効いた体育館で終業式が行われました。校長先生から「夏休みにしかできない挑戦をしてほしい」という呼びかけに元気に返事をしていました。1年生の子どもたちは「夏休みに入ったら飛行機で旅行に行くから楽しみ」「おじいちゃんおばあちゃんの家に行く。1人で泊まるのは初めて」「ホテルに行くのが楽しみ。プールとか海とか入る」などと話していました。いよいよ、子どもたちにとって楽しい夏休みが始まります。
全日空は同じ日、日本を出発する国際線について6月の旅客数が前年同時期と比べ1.3倍に増えていて、需要は回復傾向にあると発表しました。また、国内線の予約数についても夏休み期間に当たる7月と8月の合計は去年に比べ1割ほど増えています。
実際に街の人たちは夏休みをどのように過ごすのか聞いてみたところ、「福岡に帰省する」「友達に会いに高知に行こうかなと思っています」「家でだらだらします」などと話す人もいました。一方で、海外旅行について聞いてみると「円安ですからね。去年でも結構絞り出して行ったので、今年は自制しようかなと思っている」「円安だし。海外は行きたいですけれど今年は考えていない」「(海外では)昔は20、30万円で意外といろいろな物が買えたが、今は50万円ぐらいでは欲しいものも買えない」などといった声も聞かれました。
旅行会社のHISによりますと、今年=2024年の夏休み期間の海外旅行の予約者数はコロナ禍前の2019年と比べて「52.3%」と、半分ほどしか回復していないということです。しかしその一方で、海外を楽しみたいという人に今、航空券やホテル代はもちろん、食事から観光まで旅行中にかかるコストをまとめて事前に支払う「パッケージプラン」が人気となっているということです。現地でかかるさまざまな費用を出発前に支払うことによって、為替の変化によるコストの上昇を気にせず、旅行費用を出発前に把握できる“安心感”が人気の理由です。
いよいよ始まる夏休みですが、歴史的な円安を背景にその過ごし方はさまざまなようです。
<円安の影響大 日本/海外 往来に明暗>
街の人たちの切実な声もありましたが、円安はこの夏の海外旅行に大きな影響を与えているようです。一方で円安によって「インバウンド消費」は大きく後押しされています。
政府は、今年1月から6月に日本を訪れた外国人客が約1778万人で、上半期としては過去最多だったと発表しました。また、宿泊や買い物など訪日客による消費額は、今年4月から6月では約2兆1000億円となり、四半期別の最高額を更新したということです。日本に暮らすわれわれにとって円安はデメリットが目立つ一方で、海外からの熱視線は続きそうです。
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