新紙幣発行から1週間 券売機業者「終わりが見えない」作業続く

2024.07.12(金)

10:50

20年ぶりとなった新紙幣の発行が始まってから1週間が過ぎました。券売機の販売を行なう業者は、「終わりが見えない」という新紙幣対応の作業に追われていました。

20年ぶりとなった新紙幣の発行が始まってから1週間が過ぎました。券売機の販売を行なう業者は、「終わりが見えない」という新紙幣対応の作業に追われていました。

街の人:(Q:新札発行から一週間経ちましたが既に手に取られた?)「持ってないです」「全然見てないです」「今3枚だけ一万円と五千円と千円」

まだ、街行く人たちには浸透していない様子の新紙幣。なかには懸念の声も…。

街の人:「駅とかが困ります。切符買えなかったり、なんか新500円玉の時も券売機だと新500円玉使えませんとか結構あったので」「私たちはまだ良いんですけど、使うほうだから。お店の券売機とか直す方のお店側の方が大変だと思う」

新紙幣に変わったことで対応が必要なのが、券売機です。

エルコム担当者:「券売機の新札対応のですね、日程が調整できそうなのでお電話させてもらったんですけど…」

券売機の販売などを行なう会社では、新紙幣に対応するための機械の交換作業の電話案内に追われていました。

エルコム担当者:「新札のバージョンアップに関しては、1カ月2カ月前くらいのお客様が中心で、買い替えに関しては半年前ぐらいにご依頼いただいているのがまだ納品できていない状況」

主に飲食店などこちらの会社が取引をする券売機で、新札発行の対応が必要となったのは4000台以上。しかし、券売機を製造するメーカーからの納品が未定ということもあり、150台ほど新たな機械への交換作業が出来ていないといいます。さらに、一部の部品交換だけで済む券売機も300台ほど作業が出来てない状態だということです。

エルコム担当者:「全然納品ができない状態ですね、新品に関しては。新紙幣の対応作業によってはお客さんとアポイントが取れ次第行くんですけど、部品が入ってくるところの事情と人出の問題、終わりがちょっと見えないかなと思っています」

この会社によりますと、部品交換作業は8月末までの完了を目指していますが、新規の交換についてはめどが立っていないということです。

新紙幣に対応するための券売機の変更は、費用面も大きな課題となっています。取材をしたエルコムによりますと、券売機を新たなものに交換する場合の費用は70万円から200万ほど、部品の交換のみで済む場合も15万円から40万円ほどかかるということです。飲食店など事業者の皆さんは、多額の費用を出して券売機を新紙幣対応に変えるわけですが、いつ納品されるかわからない状況が続いています。

自動販売機メーカーなどでつくる団体によりますと、新紙幣がどこでも使えるようになるには1~2年かかる見込みで、特に対応の遅れが顕著な飲料の自販機について、今月3日時点で新紙幣が使えるのは2~3割にとどまっているということです。

そして新紙幣の発行を巡っては、交換などを騙る詐欺にも警戒が必要です。警視庁によりますと新紙幣の発行に便乗した詐欺被害は、都内で今年3月から6月の間に4件確認されていて、80代から90代の男女があわせて約1500万円をだまし取られたということです。

詐欺の手口としては、まず役所の職員をかたる者から「保険料の払い戻しがあるのでどこの銀行を使っているのか教えてください」と還付金の払い戻しを案内する電話がかかってきます。現金を家で保管していることを伝えると、今度は金融機関の職員を名乗る者から電話がかかってきて「古い紙幣を新しいものに交換する必要があるのでこれから取りに行きます」などと言われます。そしてその後、金融機関の職員を装った人が自宅に現金を取りに来て、言われた通り現金を預けるとそのまま取られてしまうということです。

こうした詐欺被害を防ぐために、警視庁の生活安全部はSNSで注意を呼びかける投稿をしています。SNSでは「その旧紙幣、まだ使えますよ!」と呼び掛けていて、金融機関を騙って「従来の紙幣が使えなくなる」「旧紙幣を新紙幣に交換する」などといった内容の電話がかかってきたらすぐに110番するよう注意を促しています。

 

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