子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する「日本版DBS法」成立、その詳細を解説

2024.07.11(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、今国会で成立した“日本版DBS”について取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、今国会で成立した“日本版DBS”について取り上げました。

◆「こども性暴力防止法」が参院本会議で可決成立

日本版DBSの導入を柱とする「こども性暴力防止法」が、参議院本会議にて全会一致で可決成立しました。日本版DBSとは、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を雇用主側が確認するもので、学校や保育所・幼稚園などで義務化されます。また、学習塾や放課後学習クラブなどは任意の認定制となり、国の認定を受けた事業者は確認の義務を負い、認定を受けたことの広告表示が可能になります。しかし、フリーの家庭教師など個人事業主は枠組み外となっています。

なお、性犯罪歴がある場合は拘禁刑で終了から20年、罰金刑は10年、子どもと接する業務の就業が制限されます。また、性犯罪歴がない場合でも子どもや親の訴えから「性加害の恐れがある」と判断された場合、配置転換などの安全確保措置を実施します。

◆「日本版DBS」2026年度ごろに施行も課題は?

食文化研究家の長内あや愛さんは、この法案の成立を「大きな一歩」と評価しますが、一方で「2年半以内に適用されるということだが、その移行期が心配」と懸念点を示唆。例えば、施行される前に職種を変えたり、犯罪が増えたりしないか案じます。

新公益連盟 代表理事の白井智子さんも「学校や塾などは小児性愛などの傾向を持った人が入り込みやすい事実があり、それは面接などだけでは分からないのでこうした法案が成立したことはとても助けになると思う」と法整備化を素直に喜びつつも、課題もあると言います。

ひとつは、この法律が絶対ではないということで「法の目をくぐり抜けてくる人もいるので、あくまでこれは補助であり、最終的には人間がしっかりと判断しないといけない」と注意を促し、加えて「運用していくとさまざまな穴が出てくると思うので、その都度見直し、随時アップデートしていくことが重要」とも。

さらに、加害者側に対しても「ただ排除するだけではダメで、治療が必要なこともある。逮捕・検挙に注目がいきがちだが、いかに再犯を起こさないようにしていくか、それもセットで整備していかないといけない」と指摘します。

2人の娘を持つ、お笑いコンビ・髭男爵の山田ルイ53世さんは、「学校や幼稚園、塾やスイミングスクールなどに(子どもを)行かせている身としては、本能的に(性犯罪者は)排除の方向に考えてしまうが、治療を含め、犯罪しづらい制度や空気感ができれば」と法だけでなく、子どもへの性犯罪を抑止する空気づくりを望みます。

キャスターの堀潤は、例えば、犯罪が発生してしまった際、教育機関がしっかりと通報、公開できるのか、隠蔽することがないか危惧。

これに対し、白井さんは「(加害者にも)プライバシーの問題があり、今まではそれを隠れ蓑に加害者を守る方向にいきがちだったが、これをきっかけに変えていかないといけない。(加害者の)プライバシーに配慮しつつも被害者を生まないように、被害者を守ることを大事にしていくべき」と主張していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

 

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