小池知事、当選から一夜「都民の声しっかり受け止める」 各会派にあいさつ回り

2024.07.08(月)

20:00

史上最多の56人が出馬した東京都知事選挙は現職の小池百合子さん(71)が当選を果たしました。当選から一夜明け、小池知事は都議会の各会派を回るなど3期目に向けて動き始めています。

史上最多の56人が出馬した東京都知事選挙は現職の小池百合子さん(71)が当選を果たしました。当選から一夜明け、小池知事は都議会の各会派を回るなど3期目に向けて動き始めています。

3期目の当選を決めた小池知事は7月8日正午すぎ、集まった東京都職員の拍手に迎えられながら登庁し「本当にありがとうございます。3期目任せるよと、より改革を進めろよという都民の声、しっかり受け止めてまいりたい」と笑顔を見せました。

7日に投票が行われた東京都知事選挙は、投票率が前回を5ポイント以上上回る60.62%となり、小池知事が300万近くの票を集めて当選しました。小池知事は「これからも全身全霊で対応していきたい。このことをお伝えしたい。これからもどうぞよろしくお願いします」とあいさつしました。

今回の都知事選で“台風の目”となったのが、広島県安芸高田市の石丸伸二・前市長(41)でした。SNSを活用し、既存の政治からの脱却や教育への投資を訴えの軸に選挙戦を展開し、政党の支援を受けず、2位の165万票を獲得しました。石丸さんは敗戦を受け「結果は都民の総意が表れた。それだけ。私から何も申し上げることはありません」と述べました。また、今後の政治活動についての記者からの質問には「まだ決めていません」、国政への思いはと問われると「選択肢としては当然考えます。例えば広島1区。岸田首相の選挙区ですね」と答え、地元・広島での国政進出も視野に検討する考えを明らかにしました。

一方、小池知事の対抗馬として立憲民主党や共産党の支援を受けて出馬した蓮舫前参院議員(56)は128万票で3位でした。蓮舫さんは敗戦が明らかになると「私の力不足に尽きると思う」と述べ、今後の政治活動については「まだ現時点でこの選挙戦、自分の中ではピリオドを打てている気持ちではないので、もう少し考えたい」と述べました。

再選を果たした小池知事は一夜明け、早速都議会の各会派へのあいさつ回りを行いました。選挙で知事を支援した自民党や都民ファーストの会などに感謝を伝え、各会派に今後の都議会運営への協力を呼びかけました。都議会自民党の川松政調会長は「小池知事は『完全無所属』という姿勢で戦ったので(自民党への)逆風はあまりなかったと思う。現職の知事の安定感が目立ったかなと思う」、都民ファーストの会の森村代表は「まずは本当によかった。2期8年の小池都政の取り組みや成果が都民に評価いただいた。それが一番うれしい」と述べました。一方、蓮舫さんを支援した都議会立憲民主党は「いわゆる無党派層といわれる人々の気持ちがまだ届かなかったのが原因なのかなと思う」(西沢幹事長)と話し、無党派層を思うように取り込めなかったことが敗因だとしました。

小池知事は7月30日で2期目の任期を終え、31日から3期目のスタートを切ります。

<小池知事 3期目に進める公約は?>

3期目の当選を果たした小池知事はこれからどんな政策を進めることになるのでしょうか。

今回の選挙戦では「東京大改革3.0」と名付けた公約を出していました。まず「首都防衛」ではミサイルに備えた「シェルターの整備」を進める方針です。そして、これまでも力を入れて進めてきた子育て・教育支援では、保育料の無償化を1人目にまで拡大する考えです。また、高齢化への対応については「都独自の認知症専門病院の創設」を掲げていて、多摩や島しょ部に向けては「医療助成費などの市町村への交付金の拡充」を掲げました。

こうした公約が並ぶ中、都民が小池知事の3期目に何を求めるのか聞いてみると「年金受給者なので生活は若干苦しいし、病気もこれから出てくる。治療なんかも大変だから(年休受給者への医療支援を)考えてもらえたら」「多摩地域も東京都ですよと言いたい。商業的な面でももっと潤っていいと思っている」「税金をちょっと減らしてほしいのと、子どもたちは大学生になったから教育はいいが、これから子どもたちの代・新しい世代のことと、子育てがもっと楽になったらいいと思う」などといった声も聞かれました。

今回、出口調査では「投票する際に最も重視した政策」として「景気・雇用」が一番高くなっていて、街で取材しても若者から経済的な支援を求める声がありました。小池都政では特定の業種への支援は行っていますが、若者全体への対応はあまり言及がない印象です。これから3期目が始まりますが、今後の4年間でこうした向き合うべき課題は多いといえそうです。

 

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