「結婚すべき」「結婚したほうが良い」と考える日本の若者は欧米に比べ断トツ低い45%…この数字から窺える問題点とは?

2024.07.04(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、若者の結婚観に関する報道について取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、若者の結婚観に関する報道について取り上げました。

◆“結婚したほうがよい”と考える日本の若者は45%

日本やアメリカなど5ヵ国の若者らを対象とした意識調査で、日本は結婚観について「結婚すべきだ」または「結婚したほうがよい」と答えた割合が合わせて45%。調査した5ヵ国のなかで最も低い結果となりました。

これはこども家庭庁が公表したもので、前回2018年度の調査から5.9ポイント下がりました。「結婚すべきだ」または「結婚したほうがよい」と答えた割合の合計はドイツが57.9%で最も高く、フランスが52.4%、スウェーデンが51.3%、アメリカが47.3%。一方、「結婚しなくてもよい」または「結婚しないほうがよい」と答えた割合の合計は、日本が42.0%。前回から6.6ポイント上昇しています。

◆意識調査の結果から見えてくることは?

この調査に対し、前明石市長の泉房穂さんは「私は結婚すべきとは思わない、してもしなくてもいいと思っている」と自身のスタンスを明かした上で「ただ、結婚したいのにお金が理由(でできない)とか将来不安で(結婚を)躊躇する社会はもったいない」と悲嘆。そして、「この数字を見ていると、単に個人の問題というよりは、社会全体の状況も関係している気がする」と雑感を述べます。

一方、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは「僕はこうした報道、調査をやるたびに、この国で少子化を解決するのは無理だと思う」と率直な思いを吐露。

続いて大空さんは、「結婚したくない・できない若者の姿が社会に定型化されてしまっている。それによって生まれるのは、世代内の分断と社会的抑圧。結局、結婚したくない・できない人は常に社会に一定数存在しているのに、そうした(今の)若者像だけが表層化し、可視化されてしまった」と嘆き、「この調査をもって何が言いたいのか。しかも、他の国と比べ、日本は低いと危機感や不安を煽ることに何の意味があるのか」と疑問を呈します。

さらには、「結婚や人生観は本来、個人のもので、プライバシーが確保されるべき個人の裁量の問題。なのに、ここ数年はメディアや行政が安易に踏み込みすぎている。このやり方では一向に問題は解決しない。結婚する・しないは自由であり、その大前提が共有されていないなかでは上手くいかない」と現在の行政の姿勢、少子化対策のあり方を問題視。

この意見には、泉さんも「それは(結婚だけに限らず)出産もそうで、子どもを産む・産まない、何人産むかはそれぞれの選択、それぞれの判断。それを保障するほうがいい」と賛同。

キャスターの堀潤も支持し、「定型の枠組みのなかに入るか入らないかの話ではなく、今やるべき議論は、今までの枠組みがどう拡張できるか」と言います。そして、「今、与党・自民党は家族的なものに関して保守を掲げているので、どうしても枠内のなかでの少子化対策になってしまうが、そういう枠組みを取っ払って考える。例えば養子縁組をしやすくしたり、本格的な移民政策など、そうしたところまで踏み込んで考えるなど、拡張の方向に向けて議論してほしい」と訴えていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

 

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