グローバルヘルスの専門家が断言…日本がグローバルサウスに進出するのに最適なのは“国際保険医療分野”、その理由とは?

2024.06.14(金)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、Health for all.jp代表の茶山美鈴さんが、ガーナで活躍する日本企業のヘルスケア事業を紹介しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、Health for all.jp代表の茶山美鈴さんが、ガーナで活躍する日本企業のヘルスケア事業を紹介しました。

◆日本企業がガーナの保健分野で大活躍!

今回の「New global」は特別編。先日、アフリカのガーナに行ってきた茶山さんが、現地で見た日本企業の活躍、さらにはそこで感じた有効的なグローバルサウスとの関わり方について論じました。

南半球を中心とした新興国「グローバルサウス」のひとつに挙げられるガーナですが、まだまだ国内の課題は多く、なかでもヘルスケア分野では問題が山積。

例えば、母子保健においては、妊産婦の死亡率が日本の65倍。日本では10万人あたり4人のところ、ガーナでは263人が亡くなっています。また、過疎地域に対しての医療物資の運搬についても厳しい状況にあるそうです。

そうした課題に対し、実は日本の企業が大きく活躍していると茶山さん。例えば、味の素ファンデーション、シスメックス、NECの3社がガーナの母子保健の課題解決を目指し共同プロジェクトを参画。茶山さんは、「ICT(情報通信技術)を活用したガーナの母子への効果的な栄養教育と持続性を可能にする現地民間企業によるサプリメント製造、現地NGOによる販売浸透活動や医療従事者の人材育成を通じた保健基盤強化を目指している」とその趣旨を解説します。

味の素ファンデーションは、離乳食向けサプリメントの配布・販売を行っていたり、シスメックスは貧血や栄養失調に関する健診、さらにはマラリア健診技術などを提供。そして、NECは妊産婦向け検診データの入力や、それを医者や患者が見られるように管理しているそうで、茶山さんは「(ガーナの)地方には日本のように大きな病院があるわけではないが、みんなデバイスは持っている。だからこそアプリで管理して、それをすぐに見られる、母子手帳のようなものが活躍していた」と紹介。

また、母子保健の分野だけでなく、医療物資の運搬やインフラに関しても、例えば、豊田通商はランドクルーザーに冷蔵庫を設置し、温度や衝撃に弱いワクチンを運ぶなど、地域に大きく貢献しているそうです。

◆日本とグローバルサウス、有効的な関わり方は?

ガーナを含むアフリカ諸国は、インフラが整備されていないなど、さまざまな理由で他国に比べて進出コストがかかると同時に、政府の支払い能力の有無などの多くのリスクがあります。そのため日本企業も進出に二の足を踏んでいましたが、ことグローバルヘルスにおいては事情が違うとか。

茶山さんは「グローバルヘルス領域では、『Gavi』や『UNAIDS』、『グローバルファンド』など支援している国際組織が多く、そうしたところが有効的な実績を出す事業に投資をしている。企業も収益性を確保しやすいシステムが構築されている」と解説します。

ここで株式会社ゲムトレ代表の小幡和輝さんからは、その支援する国際組織の資金はどこからくるものなのかと質問が。これに茶山さんは「例えば、(ビル・ゲイツの)ビル&メリンダ・ゲイツ財団など、個人で支援していたり、政府なども拠出している」と回答します。

最後に、今回の経験を経てグローバルサウスの国々と日本はいかに関わるべきなのか、茶山さんに聞いてみると、「現地で感じた結論からいうと、日本がグローバルサウスで勝負できるのは、国際保険医療分野だとはっきりと感じた」と断言。というのも、インフラ整備などはすでに中国が進出しており、「日本の医療技術、医療品開発、医療品製造技術の高さは非常に評価されているので、この領域で事業進出するのであれば有効的だと思う」と言います。

また、もうひとつ理由があり、前述の通りグローバルサウスでのビジネス展開は困難で日本企業も進出しにくい部分があるものの、支援している国際財団が数多くあるから。茶山さんは、「国際財団と企業が連携、さらにはユースや政治が連携して一体的に日本企業が保健医療分野で進出する。そうした形はとてもやりやすいと感じた」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

 

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