ストーカーや下着窃盗犯は性犯罪歴の確認対象に含まれない? 議論が進む日本版DBSの現状

2024.05.27(月)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。5月17日(金)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、国会審議が本格化している“日本版DBS創設法案”について意見を交わしました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。5月17日(金)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、国会審議が本格化している“日本版DBS創設法案”について意見を交わしました。

◆日本版DBS“接しない期間”長くすべき?

子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を雇用主側が確認する“日本版DBS”の創設法案に関し、国会審議が本格化しています。

法案では、性犯罪歴がある人を子どもと接する業務に就けなくする期間を、刑に応じて20年または10年としていますが、参考人として呼ばれた寺町東子弁護士は、性犯罪は再犯率が高く、加害者をより長い期間子どもに触れされないことが、加害者が更生する上でも必要と述べ、裁判所の判決書の保存期間に合わせ、就業制限期間を50年または20年とすべきと提案

また、日本大学の末冨芳教授は対象が学校など認可施設に限られる点について、法律成立後も対象を広げるなど不断の見直しを求めました。

現状、日本版DBSの判断基準となる要件は3つ。子どもと密接な人間関係を持つ“継続性”と指導など優越的立場の“支配性”、さらには他者の目に触れにくい“閉鎖性”です。そして、性犯罪歴の確認対象となりうるのはクラブや部活動のコーチをはじめとする学校ボランティアに加え、スクールカウンセラーなども。一方、登下校中の安全指導員や学校行事の際のスタッフなどは“一般論として対象にならない”とされています。

また、ストーカー規制法違反や下着の窃盗などを犯した人も確認対象外となっており、その理由について、加藤こども政策担当大臣は、下着の窃盗や恋愛感情を満たす目的で付き纏うということが「人に対する性暴力とはいえない」と説明しています。

◆“日本版DBS”創設法案に一定の評価も…

今回の創設法案に関して、タレントのREINAさんは「第一歩としてはいいと思う。今後、対象を広げるなど変更していけばいい。このDBSだけで全ての性犯罪を未然に防ぐことは不可能であり、さらなる政策などが必要になってくると思うが、ファーストステップとしてはすごくいいと思う」と評価。

キャスターの豊崎由里絵も、REINAさんと同じく一定の評価はしつつも、自身が中学生だった当時、水泳の授業中に女子生徒の下着が盗まれる事件があったことに触れた上で「(その犯人は)子どもの下着に興味があったと推察される。犯人は誰だか分からなかったけれども、そうしたことがあると考えた際、下着の窃盗がDBSと全く関係ないと言い切るのも違うと思う。かといって、全て含めるべきとは思わないので、ケースバイケースになるのかなと思う」と率直な感想を明かします。

また、株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは「基本的には、こういった仕組みや装置で(未然に犯罪を)防ぐという考え方はすごくいいと思う。あとはいかに運用していくか」と運用面における議論の必要性を主張。

一方、経済アナリストの池田健三郎さんからは「娘を持つ父親の立場からすれば“手ぬるい”というのが第一印象」と厳しい意見が。その上で、「いろいろ合理的な議論があったと思うが、まずは始めてみて拡大していくこと。こういう犯罪は多様化していくので、今後拡張していくことが望ましいと個人的には考えている」と自身の見解を示していました。

※この番組の記事一覧を見る
    
<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

 

この記事が気に入ったら
「TOKYO MX」 公式
Facebookアカウントを
いいね!してね

RELATED ARTICLE関連記事