顧客や取引先から受けるクレームや、過剰な言いがかりなどの迷惑行為を意味するカスタマーハラスメント。相次ぐ被害に自治体も対策に乗り出していて、日野市では今月から職員の名札を名字のみに変更しました。

(飲食店アルバイト 20代)
「外見や性格を否定されることがある」
(飲食店・エステサロン勤務 50代)
「帰り際にわーっと怒って帰る人、まれにいる」
(営業職 30代)
「お客さん(要望)に応えたいのでやるが、後で振り返るとおかしな要求だった」
街ゆく人から相次いで聞こえてきた“カスハラ”の被害。日野市では職員を守るため今月から新たな対策を講じました。
(白井記者)
「これまでは顔写真とフルネームが記載されたものだったが、4月から名字のみのシンプルなものに変わりました」
日野市の職員は、これまで顔写真付きでフルネームが記載された職員証を付けていましたが、今月から名字のみの名札に順次、切り替えを行っています。
日野市によりますと、過去に窓口に訪れた人が職員の個人情報をSNSで拡散する事態が起きていて、職員にアンケートを募った結果、「名字だけの表記にしてほしい」という提案があり、全ての職員の名札を切り替えることにしたということです。
若手の女性職員からは個人情報の露出が減ることで、安心感につながるといった声が聞こえました。
(日野市の職員)
「フルネームとなると一番の個人情報なので、窓口で首から下げて説明するのは不安な気持ちがあった。安心感がやはり持てるので、嬉しいという気持ちですね」
(日野市の職員)
「インターネットとかSNSが普及している時代なので、個人が特定できる可能性もあるので不安に思っていた。ゆくゆくは名字ではなくて窓口の番号とか、もっと匿名性があっても、案内自体のサービスの低下にはつながらない思うので、そういったところも検討してほしい」
日野市では対策を進め、市民などからの迷惑行為”カスハラ”を防ぎ、安心して働ける職場を目指しています。
(日野市 小松利夫課長)
「カスハラに対しては毅然とした態度を示した態度を組織としてしないといけない。市民や団体、色々な人がいるので、良い街づくりを進めるためにしっかりと関係を築いていく」
日野市では働きやすい職場を目指し、今後も職員の意見を反映していくということです。また、そのほか、都内の自治体では品川区が今年1月から、日野市と同じように職員の名札を「名字のみ」に変更するなど、「カスハラ」への対応が広がっています。