2019年に池袋で起きた暴走事故で、妻と娘を亡くした松永拓也さんに対し、事故を起こして服役中の飯塚幸三受刑者が、文書で謝罪の意とともに、今後面会に応じる考えを示しました。
(松永拓也さん)
「初めて彼の本心も聞けた気がして 本当に正直嬉しかったです」
家族3人で過ごした、何事にも変えがたい日々は5年前、事故によって奪われました。
2019年4月、豊島区東池袋で暴走した車が通行人らを次々とはね、松永真菜さんと娘の莉子ちゃんが亡くなり、9人が重軽傷を負いました。
(松永拓也さん)
「最愛の妻と娘を失い、ただただ涙することしかできず、絶望しています」
2020年10月に始まった裁判では、事故の「過失の有無」が争点となりましたが、車を運転していた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三受刑者は初公判から一貫して、無罪を主張し続けていました。
裁判がはじまって11カ月、東京地裁は、飯塚受刑者がブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違え、事故を発生させたとして、禁錮5年の実刑判決を言い渡しました。
(松永拓也さん)
「この判決は、私たち遺族がこの先前を向いて、少しでも前を向いて生きていけるきっかけにはなりえるなと…」
そして先月、松永さんは、遺族の心情を刑務所の職員が聞き取って、受刑者に伝える制度を使い、飯塚受刑者に質問を送りました。
「申し訳ないです」
4月6日、松永さんの元に回答が届き、飯塚受刑者は、松永さんの妻、真菜さんと長女の莉子ちゃんに対し、謝罪の気持ちを示しました。
「どうすれば事故を起こさずに済んだか」という質問に対しては…
「運転しないことが大事です」
また、松永さんが面会を希望していることに関して、「わかりました」と述べ、受け入れる意志を示したということです。
(松永拓也さん)
「初めて彼の本心も聞けた気がして、私の思いも受け取ってくれて、本当に正直嬉しかったです。今後も同様の高齢ドライバー事故、誰もが加害者にも被害者にもならないような社会に向けて、彼ともっと話し合いをしたい。だから面会を今後したいと思っています」
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