感染者の約30パーセントが死亡するといわれている劇症型溶結性レンサ球菌感染症、いわゆる「人食いバクテリア」の患者数が過去最高となりました。これを受け東京都は、医療関係者に向けたマニュアルの改訂を進めています。

(都の担当者)
「感染者のうち約30%が死亡しており、極めて致死率の高い感染症。2023年の患者報告数は全国941件、うち東京都141件で過去最高でした」
劇症型溶結性レンサ球菌感染症、いわゆる「人食いバクテリア」は、「A群溶結性レンサ球菌」と呼ばれる子どもの喉風邪を引き起こす細菌が、傷口などから入り込むことで発症する感染症です。
急激に病状が進行するのが特徴で、発病から数十時間以内に急性腎不全などに陥ります。
東京都によりますと、去年1年間の都内の患者数は過去最高の141件で、うち42人が死亡したということです。
また、都内では今年に入ってから、今月17日までの2カ月半ほどで、去年の半数を超える88人の感染が、すでに確認されているということです。
都は感染者の急増を受け、医療関係者に向けたマニュアルの改訂を進めていて、「できるだけ早く提供し早期の診断につなげたい」としています。
改めて、この「人食いバクテリア」と呼ばれる感染症について詳しく見ていきます。
まず主な病原体は、A群溶血性レンサ球菌と呼ばれるものです。
一般的には咽頭炎、つまり喉のあたりの炎症を引き起こすもので、子どもがかかりやすいとされています。いわゆる溶連菌感染症と呼ばれる病気ですよね。
これが普段菌が入らない臓器などに入ると、劇症型の感染症となる恐れがあります。こちらは子どもから大人まで広い年代で発症するんですが、特に30歳以上の大人に多いとされています。飛沫のほか傷口からの感染も確認されています。