国内でじわじわと広がるはしかですが、都内で3月22日、5人目の感染者が確認されました。こうした中、都内のクリニックでは、はしかのワクチンを希望する人が急増しています。
全国で感染が広がる、はしか。東京都は3月22日、2月以降、都内で5人目となるはしかの感染があったことを明らかにしました。以前に感染が確認されていた患者の家族の子どもだということです。
こうした中、都内のクリニックでは、はしかのワクチンに関する問い合わせが相次いでいました。
(事務員)
「そうですね…いまほんとに(一日中)80から100件ぐらいの問い合わせをいただいています。ほとんどまず、はしかのワクチン受けられますかと、いま流行っていますので在庫ありますかとかですね」
このクリニックでは、今月の上旬からワクチンの問い合わせが急増しました。しかし、在庫はひっ迫していて、業者に発注しても、いつ入荷するかが見通せない状況だということです。
(品川イーストクリニック 飯塚敏也さん)
「次入ってくるのはもう、業者さんからは確約をいただいてなくて、ほんとにもう5個とか6個とかそういう単位でいつ入ってくるか分からない状況が続いています」
感染力が強く空気感染もするはしか。免疫がない集団の中に1人の発症者がいると、季節性インフルエンザの場合、1から2人が感染するのに対し、はしかは12から14人となっています。
感染すると、39度以上の高熱と頭から上半身を中心に発疹が出るのが特徴です。
この日、クリニックに訪れた40代の女性は…
(40代女性)
「はしかの抗体があるかどうかを確認しにきました。1歳の子の方にワクチンを優先的に接種したいので、大人の方はなるべく打たないようにというか、優先度下げてほしいということで言われました」
厚生労働省は3月21日、子どもの定期接種が確実に実施できるよう、小児科などに優先してワクチンを供給することなどを自治体を通じて、業者に求める通知を出しました。
クリニックの院長は、ワクチンの接種が現在難しい状況なので、抗体検査を行うことを呼び掛けています。
(品川イーストクリニック 本郷洋一郎院長)
「ワクチンを打ったかかかったことがあるかどうか定かでない場合は、まず抗体検査・血液検査をして、抗体があるかどうかを調べます。すると自分は記憶はないけど実は、ワクチン打っていたとかあるいは本格的麻疹の症状は出ていないけど、どこかでウイルスに触れていて、抗体があるという可能性はありますね」
はしかの都内での感染状況ですが、先週から2人増え、5人となりました。去年は1年間で10人だったので、感染のペースが上がっているとも言えます。
国内での感染拡大の要因としては、世界、特にヨーロッパ地域での広がりが影響していると見られます。
WHO=世界保健機関によりますと、おととしは937人だった感染者数が去年は5万8000人を超え、60倍以上になったということです。
海外との往来機会も増えてきて、はしかのウイルスが入りやすくなったということですね。
予防策としては、ワクチンの2回接種が推奨されていますが、ワクチンの接種回数が、年代によってバラバラとなっているんです。
まず、1972年の9月30日より、前に生まれた人、現在、51歳から52歳より年上の人たちは、1度もワクチンを接種していない可能性が高い年代になります。
そして、1972年の10月1日から、2000年の4月1日までの間に生まれた人、現在51歳から23歳、24歳の人たちは、1回しか接種していない年代で、現在、23歳以下の人たちは、2回接種している年代だということです。
ただ、ワクチンを打とうと思っても、現在、不足している状況なので、ワクチン以外でどうやって予防していくかということなんですが、はしかは、マスクも効果がなく、空気感染もしてしまう感染力が非常に強い、とてもやっかいな感染症です。
症状としては、ウイルスが10日から12日間体内に潜伏し、その後、38度程度の発熱やかぜの症状が2日から4日続いた後、39度以上の高熱とともに、発疹が出るということです。
そして、感染力が最も強くなるのが、発疹が出る前、風邪のような症状の時だということで、体調が優れない場合は、ただの風邪だと思わず、対応することが必要だと思います。
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