本格的な花見シーズン到来を前に、桜の名所ではすでに花見客を迎え入れる準備が進められています。今年は新型コロナウイルスの5類移行後初のシーズンとなり、その期待は例年以上に高まっているようです。

記者:「こちらは上野公園の入り口です。外国人観光客を中心に沢山の人が訪れていまして、みなさん咲きはじめの桜を撮影する様子がみられます」
都内有数の桜の名所台東区の「上野公園」では、花見シーズンの本格化を前に多くの人で賑わっていました。中には、開花前の桜で「お花見」を楽しむ人の姿も…
花見客:「休みが合う日がきょうだったので来た」「まだ咲いてないので、これからパッて咲いたらもう1回来たい。(桜を)楽しみに」
今年は新型コロナの5類移行後初めての花見シーズンとなり、上野公園で去年設けられていた午後8時までの時間制限が廃止に。閉園時間の午後11時まで花見が楽しめることになりました。
5年ぶりの時間制限の無い花見シーズンの到来には、上野の街全体が期待を寄せています。
上野観光連盟 長岡信裕理事長:「待ちに待った時季がやってきた。いまや世界各国から沢山おいでいただいている。これは我々にとっても、上野の街を盛り上げるチャンスだと考えている」
公園近くにある松坂屋上野店では、お花見シーズン限定のお弁当の販売を開始していて、3月20日も昼過ぎにはほとんどが売り切れる人気ぶりとなっていました。
松坂屋上野店 食品担当 平墳浩之さん「上野公園の(花見の)時間制限が無くなりましたので、お酒と一緒に大勢のみなさんで楽しんでいただけるような、おつまみのお弁当をご用意しております。上野の桜を楽しみながら、是非一緒に召し上がっていただけたら」
期待の声は、約800本の桜が並ぶ目黒川沿いでも。新型コロナウイルス流行以前は、桜のシーズンになると毎年300万人ほどが訪れる都内有数の花見スポットです。去年は恒例の桜祭りなどが4年ぶりに開催となったものの、花見客はコロナ前の約8割までしか戻っておらず、「今年こそは」と周辺店舗も賑わいを願っています。
中目黒ひつじ目黒川店 西原店長:「去年は緊急事態とかはもうなかったが、まだ皆さんマスクだったりという感じで、あとはインバウンドもまだ戻っていなかったので、今年はそのあたりが去年と違うのでそこらへんが期待している所ですね」
コロナ流行以前、花見シーズンは売上が普段の3倍ほどとなる書き入れ時でしたが、この店でも去年は例年に比べ客足が伸びず…今年は桜開花へ向け、しっかりと準備を行ってきたということです。
中目黒ひつじ目黒川店 西原店長:「今年はちょっと桜が遅いのもあって、準備はもう万端でできているので、繁忙期に向けて今週来週たくさんお客さんが来ていただければいいかなと思います」
街のにぎわいを待ちわびる声がある一方で、目黒区は節度あるマナーを呼びかけています。
目黒区 文化・交流課 千田課長:「目黒川を訪れた方がマナーも非常に素晴らしい、そして目黒川の桜も非常に素晴らしい、そういったふうなことが有名になるように、ご協力して頂ければと思います」
区は路上飲酒の自粛、大きな声で騒がないこと、そしてゴミを持ち帰ることの3つのマナーを守るよう、YouTubeや街の掲示などで注意喚起しています。また、雑踏事故を防止するため、川沿いの道路を一方通行にするほか、外国人観光客対応として、ピクトグラムと英語でマナーを呼びかけるということです。