TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、人口戦略会議が掲げる2100年の総人口目標について取り上げました。
◆2100年、日本の総人口は?
経済界有志や有識者らで作る「人口戦略会議」は、「2100年の日本の総人口は8,000万人を目指すべき」という提言を公表。提言にはひとりの女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」を2060年に2.07に回復させることなどが盛り込まれています。また、具体策を立案するため、内閣の司令塔組織や有識者らによる審議会の設置を求めています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、このままいくと2100年の人口は6,300万人。人口半減で経済が縮小し、人手不足が懸念されるとしていますが、今回の提言で掲げられた数字は8,000万人。上記の通り、そのためには2060年までに合計特殊出生率を2.07にし、さらには具体策として若者の所得向上や雇用の改善、女性の就労促進や総合的な子育て支援制度を構築。推進体制として、内閣の司令塔組織や有識者による審議会や超党派の合意形成のため国会に常設組織の設置などが挙げられています。
◆具体策に、識者たちの見解は?
キャスターの堀潤は、「人口1億人を掲げ、安倍政権下でもさまざまな対策を行う一方で、移民問題などに対しては深掘りできずに数字だけが独り歩きしていたが、少し現実的なところを見てきたかなという感じがする」と所見を述べます。
この意見に、元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんも同意した上で、「第一印象は、日本の組織は数字の目標を作り、それを目指していくことが好きなんだろうなということに違和感を覚える」と言います。そして、2100年の目標人口8,000万人に対しては「妥当なライン」とする一方、合計特殊出生率に関しては「これはとんでもなく高いハードル」と驚きます。
関西大学特任教授の深澤真紀さんは、「先進国で子どもが産まれない国はヨーロッパ、アジアでも多いが、(その特徴は)はっきりしていて家父長的で保守的な国。個人が尊重されていない国」と指摘。
さらには、「個人を尊重し、一人ひとりを大事にすれば、結果的に社会が傷まなくなる発想がなさすぎる」と現状を悲嘆し、「この社会で子どもが産みたいか。今、学生と話していても『こんな社会に子どもを産むなんて無責任』と言われても何も言えない。(子どもたちに)素敵な社会がこれからあると無責任に言えない」と申し訳なさそうに語ります。
microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんは、「2100年の問題もあるが、2030年問題や2040年問題、労働力をどうするかなど、もっと目の前の問題がある」と案じ、「それらは出生率を上げることで解決できる問題だが、もうひとつ、魅力的な人材が集まる国づくりをしていかないといけない」とも。
というのも、「ウチの会社にもベトナム人のエンジニアがいるが、徐々に東南アジアから日本に(人材が)来なくなっている実感がある」と渋谷さん。彼らの目線はいまや日本ではなく中国やアメリカなどに向いているそうで、「これは本当にヤバい問題」と危機感を募らせます。そして、「賃金の問題や成長産業を作るというところで、どうしたら日本に魅力的な人材が集まるようになるのかも大事なことだと思う」と提言していました。
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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag
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