公共施設の管理を巡る問題は多摩地域でも。武蔵村山市が12億円をかけた肝いりの温泉施設は「一時閉館」が続いていて、市は存続か廃止か、今後の判断を迫られています。
自然豊かな山林の公園からすぐそばの場所にある、武蔵村山市の温泉施設「かたくりの湯」。この施設は、観光拠点として市が約12億円の費用をかけて2002年に開業し、炭酸泉風呂や露天風呂、プールなどが楽しめる、市民の憩いの場となっていました。しかし…
記者:「4月1日から一時休館と書かれています」
去年4月から8カ月以上にわたって休館していて、公園を訪れた人や近隣に住む人からは再開を望む声が聞かれます。
「家族で来た思い出の温泉ですね。また再開したら家族で来たい」「大変残念。客が少ないんじゃない?それで維持できないんじゃないかな」
市が始めた施設の休館、その原因は、赤字です。「かたくりの湯」は2004年から支出が収入を上回る赤字が続いていて、今年度、施設を運営する「指定管理者」を募集しましたが、事業者からの応募はなく、休館が続く事態に。
長引く休館で施設の周辺には落ち葉が積もり、やむにやまれず、近くに住む女性がホウキで掃除を続けています。
「(Q:週何回くらい掃除してるの?)落ち葉が落ちてるときは2日に1回くらい。(施設内にも)すごいススキが出ちゃって、道路だけきれいにすればいいかなって」
運営を担う業者が名乗り出ない理由について、市の担当者に尋ねると…
武蔵村山市担当者:「コロナ禍の状況が残っていたこともありますし、支出超過が続く施設の運営ということで、事業者はなかなか手を上げることが難しかったのでは」
赤字が続く「かたくりの湯」は存続か、廃止か…。武蔵村山市は去年3月から外部の有識者を入れた検討委員会を開き、去年11月には「今後も観光資源としての役割が期待される」として、施設の存続を求める提言書を市長に提出しました。
武蔵村山市担当者:「今後のあり方を検討しているところ。楽しみにされている皆さまには市の検討をお待ちいただいてご報告できれば」
武蔵村山市は検討委員会の提言書を受けて、今年度中に判断をする方針です。
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