都内唯一「完全個室」の納骨堂 変化する墓参り

2023.11.29(水)

10:20

都内で初めてとなる全室完全個室の納骨堂が、先週メディアに公開されました。近年大きく変化するお墓に対しての考え方、みなさんはどう考えますか?

都内で初めてとなる全室完全個室の納骨堂が、先週メディアに公開されました。近年大きく変化するお墓に対しての考え方、みなさんはどう考えますか?

自分のお墓について、街で聞いてみると…

70代:「ただの霊園。16年前にもう手に入れて」「代々のがあるのでそこに入る」

高齢者からは、霊園などに墓石をたてる一般的なお墓を考える人が多い一方で…

40代:「(遺骨の)半分は日本に残して、半分は他に持ってってもらってもいいかな。(Q:どこに?)例えば海がきれいな所とか。そうすると持っていく人も旅行ができて、最後の旅みたいな感じでいいと思います」
20代:「オンラインお墓みたいな、骨だけどっかに入れて、それ以外はもうオンラインでやってくれた方がいいのかなと思います」

比較的若い世代は、お墓への考え方に変化がみられました。こうした中、港区南麻布という都会のど真ん中にできた新しい納骨堂が先週、公開されました。

記者:「こちらのお墓、自動ドアを開けると、中は8畳ほどのスペースにイスが並んでいまして、奥には墓石が立っています」

都内で唯一、全てのお墓が個室となっているこちらの納骨堂。イスが設置された洋式の部屋や、畳が敷かれた和室の部屋など複数から選べ、料金によって部屋の広さも様々です。

住職:「泣きたいときに泣ける、話しかけたいときに話しかけたい言葉を、誰も気にせずに話しかけることができる。自分自身が頑張っていこうという勇気をもらえる、力をもらえる場所になるのでは」

墓参りのしやすさもこの納骨堂の特徴です。機械ですぐに受付が済み、お花や焼香なども備えつけられているので、手軽にいつでも参拝することができます。

住職:「お墓参りの動機は何でも良いと思っている。買い物に行くついで、食事に行くついで、何かのついでにお寺参り・お墓参りしていこうで十分だと思う。そういう場所になっていくと良いなと思う」

お墓参りをもっと身近にしたいという住職の思いもありましたが、世代によってお墓やお墓参りの考え方が変化しているようです。今回取材した納骨堂があるお寺が、全国の30代から80代の男女600人を対象に行った、お墓やお墓参りについてのアンケート結果を見てみましょう。

まず、お墓参りに行っているか?という質問に対し、行っていると答えたのは半数程度で、残りの半数はなかなかお墓参りに行けないという人や、そもそも行きたくないという回答もありました。

では、なぜ行かないのか。その理由として一番多かったのが「お墓のある場所が遠い」との意見で、「忙しくて時間が取れない」との回答も多くありました。

一方で、もし自分がお墓に入ったら子どもにお墓参りに来て欲しいかどうか聞いてみますと、年代が高いほど来てほしいという結果になりまして、時代の変化と共にお墓参りへの価値観が変わっていることが顕著に表れています。

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