“中学校英語スピーキングテスト”間もなく2度目の試験

2023.11.24(金)

10:50

3日後に2度目の試験が実施される「中学校英語スピーキングテスト」について、取材を続ける記者の椿原さんとお伝えします。「スピーキングテスト」は「使える英語」の育成を目的に、去年はじめて実施されました。テストを巡っては、試験を受けた生徒や教育関係者、都議会からも問題を指摘する声が上がっています。

3日後に2度目の試験が実施される「中学校英語スピーキングテスト」について、取材を続ける記者の椿原さんとお伝えします。「スピーキングテスト」は「使える英語」の育成を目的に、去年はじめて実施されました。テストを巡っては、試験を受けた生徒や教育関係者、都議会からも問題を指摘する声が上がっています。

去年のテストで指摘された問題点をまとめました。まず1点目はイヤーマフ。音を遮断するために付けるのですが、受験生から「付けていてもほかの人の声が聞こえた」などの指摘がありました。

2点目が「隣の教室の声が聞こえる」という問題。試験は隣あった教室で前半組、後半組に分かれて行われましたが、隣り合っていたために横の教室の生徒の解答が聞こえたとの声が上がりました。

そして3つ目、この試験ではタブレットに解答の音声を吹き込む形で実施されましたが、その際に「ほかの生徒の声も拾っていて、自分の解答が正確に採点されたのか分からない」という声がありました。

試験が間近に迫る中、11月21日、都議会では議員から都の職員に対し、激しい追及がありました。

戸谷都議:「イヤーマフについて実証をいつ、何回行いましたか?昨年使ったものから更新をしているんでしょうか?」

東京都教育庁担当者:「事業者はテスト実施前に実際にイヤーマフを使用した検証を行っており、スピーキングテスト中に周囲の解答を聞くことは難しいと確認をしています。昨年度使ったものからの更新はしておりません」

去年受験した生徒の音声データに、ほかの生徒の音声が録音され正確に採点が行われなかった可能性についての追及に対しては…

東京都教育庁担当者:「都教育委員会は音声データの提供を適切に行うことが可能であるということを必要数のサンプル音声によって確認をしております。手順や録音状況を確認できており、全件確認が必須とは考えておりません」

戸谷都議:「個人情報が入っている、いろんな子の音が入っているかもしれない、それはあなた方も認めている。それを1件1件確認して目的の子どもの声だけを抽出しなければならない作業です。なんで流れについて確認したからだからいいんだって言えるんですか」
東京都教育庁担当者:「繰り返しの答弁になりますが、都教育委員会は音声データの提供を適切に行うことが可能であるということを必要数のサンプル数によって確認をしております。また、その作業については事業者が適切に行っていると考えている。全件確認が必須とは考えておりません」

出席した議員からは、教育委員会の責任が重いと強く訴えました。

風間都議:「都の教育委員会はこれだけ問題点が指摘されながら、自分たちの作った制度は正しい、これが最善の策だと言って子どもたちにこれを無理強いしている。この判断をした教育長の責任は本当に重たいですよ」

委員会を見て、東京都の議員への対応というのは実際に見ていてどう感じましたか?

椿原記者「委員会ではスピーキングテストについて質問が相次ぎましたが、議員らへの東京都の説明というのは「適切であることが確認できている」「事業者が適切に行っている」と繰り返すことが多く、中には質問と解答がかみ合っていないと感じる場面が多々ありました」

様々な問題が指摘されるスピーキングテストですが、今年の実施について、去年と比較してみていきます。

・イヤーマフについては「更新しない」と答弁があった通り、去年と同じものが使用されることになります。

・隣の教室の解答が聞こえていた問題については、東京都は「教室が前後半で隣接しないようにする」と回答しています。

・ほかの生徒の声が録音されたのではと指摘があったことには、「採点に問題がないことが確認されている」と、やり方を変えないという考えを示しています。

少し変化もありそうですが、多くの部分ではなにも変わらないということでしょうか?

椿原記者:「委員会での答弁を見る限り、そう感じざるを得ないと思います。11月22日に都庁では、この試験の入試への活用を中止するよう求める保護者や教員らが参加した集会が開かれたんですが、今年の試験への不安や変わらないテストへの不信感を訴える声が上がっていました。今週末に試験を行われることは決まっていますが、入試に反映するかはまだ検討の時間があります。不安や不信の声が解消されるよう、東京都や教育委員会にはしっかりと向き合ってもらいたいと感じました」

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