TOKYO MX（地上波9ch）朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」（毎週月～金曜6:59～）。11月14日（火）放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、導入から約1ヵ月が経過した“インボイス制度”について取り上げました。

◆10月から導入されたインボイス制度は問題ばかり!?

10月から始まったインボイス制度について13日、千代田区の議員会館でフリーランスらの団体が制度の廃止などを求める要請書を提出。そして、会合には財務省や公正取引委員会などの担当者も出席し、議員や事業所から各省庁に質問が飛びました。

また、インボイス制度に反対する団体が導入後の実態についてのアンケート結果を発表。手取りの減少や事務手続きなどで業務負担が増えたなどとして、各省庁にインボイス制度の運用停止・廃止を求めました。

インボイス制度に関しては、帝国データバンクも10月の開始直後に各企業にアンケートを実施しており、約65％の企業が順調に対応していると答えるも、懸念を示した企業が約9割。また、71.5％の企業が業務負担増となっているということです。

◆インボイス制度がスタートし、識者たちの実感は…

以前からこの制度に反対してきた経済ジャーナリストの荻原博子さんは、「収入の少ない人からも税を取る。これは実質増税。もうひとつは企業の負担がものすごく大きくなる」、「楽をするのは財務省、税務署だけ。税務署のためにみんながこんなに苦労する制度があってもいいのか」と指摘します。

これまで荻原さんは、財務省や税務署がいかに楽になろうが国民が疲弊してしまえば日本の体力は弱ると案じ、「インボイスを徹底して、その後くるのは増税。財務省にとってはいいこと尽くめだが、私たちにとっては大変でしかない。そんな制度があっていいのか！」と憤りを隠せません。

この制度は当初、対象となるのはフリーランスや自営業と言われ、サラリーマンはさほど注視していませんでしたが、蓋を開けてみれば企業においても何かと煩雑なことが多数。

株式会社トーチリレー代表取締役の神保拓也さんは、そんなインボイス制度について「そもそも軽減税率で消費税が複雑化したのでインボイス制度で一気に集約したかったと思うが、結局は弱者いじめの制度になっている。ある意味、政治が一番やってはいけないこと」と憂慮。加えて、弱者だけでなく企業にも大きな負担がかかっているとし、「現時点では国民側にメリットがあるかと言われると見つからない」と実感を語ります。

Fridays For Future Tokyoオーガナイザーの黒部睦さんは、地元で店舗を経営している高齢の方から、インボイス制度の導入とともに「店を閉めようと思っている」という声を数多く聞いたことに触れた上で、「お店がなくなれば財布の紐も固くなるし、いい循環が起こらないと思う」と意見します。

国税庁が公式サイトで公開している「税の国際比較」を見てみると、2023年1月時点で日本は消費税の標準税率が各国に比べ低いことがわかります。また、住民税や所得税などの負担水準も諸外国に比べてかなり抑えていることも見て取れます。

これらに対し荻原さんは「日本はアメリカと比べるのが好きだが、これは消費税がないアメリカとは比べず、消費税が高いヨーロッパと比べている。どういうことか」と指摘。諸外国に比べると日本は税負担が軽い、ゆえにもっと税金を拡充してもいいと言わんばかりのデータを非難。さらに、「社会保険料は今、税金以上に高い。これも一緒に考えなければいけない」と昨今問題視されている保険料についても触れます。

キャスターの堀潤は、税金の問題に関しては「（与党・自民党の）税制調査会（税調）や政務調査会の役割は本当に大きい」とし、「税調がしっかりと機能すること、政務調査会長が機能することを求めたい」と訴えていました。

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＜番組概要＞
番組名：堀潤モーニングFLAG
放送日時：毎週月～金曜 6:59～8:30　「エムキャス」でも同時配信
キャスター：堀潤（ジャーナリスト）、豊崎由里絵、田中陽南（TOKYO MX）
番組Webサイト：https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X（旧Twitter）：@morning_flag
番組Instagram：@morning_flag