TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。10月13日(金)放送の「HOT Word」のコーナーでは、増加傾向にある不登校児童・生徒の問題について取り上げました。
◆不登校児童・生徒は約30万人…過去最多を更新
全国の小中学校で不登校の児童・生徒が29万9,048人と過去最多を更新するなか、都庁では不登校など困難を抱えている子どもたちの支援について専門家が意見交換をしました。
会議に参加した不登校経験のある女子生徒は、小学3年生の頃から中学生まで不登校だった自身の経験から「私がこれからの学校に期待することは、今の児童・生徒の声に耳を傾け、変わっていける柔軟性を持ち続けていただくこと」と子どもたちに対する学校の向き合い方などを訴えました。
また、会議の最後には「不登校の理由はひとつではなく、簡単ではないから困難になっているのではないでしょうか。ゆっくり自分のペースで何に困っているのか、何に嫌と感じているのか考え、自分が話したいときに、話したいと思った人に相談してみてください。全ての人に理解されなくても、必ず理解して受け入れてくれる人があなたの近くにいると」と困難を抱える子どもたちへメッセージも。なお、東京都はこの会議を受け、今後の施策の参考にしたいとしています。
不登校の児童・生徒が増加傾向にあることに対し、アフリカの紛争問題を研究する東大院生の阿部将貴さんは「悩みを抱えて学校に行けないのであれば、無理をする必要はない」と自身の考えを述べます。その上で、「教育や保護者ができることとして人間関係があると思う。(会議に参加した)女子生徒も『話したいと思える人に話すことが大事』と言っていたが、話したいと思う人がいる人間関係が重要。学校に行かずとも知人・友人、近所の人でもいいし、誰かに話せる関係性を作ってあげられる環境を整えられるかが大事」とも。
文部科学省が2022年10月に全国の中学生を対象に行った不登校に関する調査では、学校に行きづらいと感じたきっかけで最も多かったのは「身体の不調」。次いで「勉強が分からない」、「先生と合わない」、「友達から嫌がらせやいじめを受けた」、朝が起きられないなどの「生活リズムの乱れ」などが続き、「自分でもよくわからない」という回答も22.9%ありました。
◆経験者が語る、不登校に悩む子どもの胸中
高校生時代、いじめがきっかけで不登校になった経験があるというキャスターの豊崎由里絵は、当時を振り返り、「そのときに高校を辞めさせてくれたことは親に感謝している」と話します。豊崎は高校を辞めたことで人生が一転したそうで、「不登校のときは自分が見えている世界が全てだと思ってしまう。親と学校だけだと思ってしまうけど、世の中はそんなことないと気付ける環境が大事」と自身の経験を踏まえ吐露。
そして、実際に高校を辞める際にはその後の進路なども考え、かなり悩み、高校卒業と同等の学力を認定するための「高等学校卒業程度認定試験」を受けることも視野に入れていたそうですが、豊崎は無事に他の高校へと転入。「周りにいろいろな選択肢を用意してくれる親だったり、先生だったり、大人がいるといいと思う」と理想を語ります。
ジャーナリストの春川正明さんは、豊崎の話に大きく頷きつつ「やはり選択肢が大事」と同意。最近はフリースクールも増え、不登校に対してさまざまな取り組みがなされているものの、「日本人は真面目なので(フリースクールか既存の学校か)二者択一になってしまう。そうではなく、そのときの気分や体調に合わせてどちらにでも行けるシステム作りが大切だと思う」とフリースクールと学校の併用、選択肢の拡大を切望。
気象予報士でフリーキャスターの根本美緒さんは、「子どもの気持ちに親がいかに寄り添ってあげるか。親に限らず、学校と家しかないという環境を作らず、(子どもの)居場所をいろいろなところに作っておくことが大事」と指摘。「ウチの子の場合は野球があるが、そういう自分のコミュニティを作っておいてあげるのも、親としてサポートできることだと思う」と話していました。
※この番組の記事一覧を見る
<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag
この記事が気に入ったら
「TOKYO MX」 公式
Facebookアカウントを
いいね!してね