東京都が今年度から少子化対策の一環として、卵子の数を調べるAMH検査の助成に力を入れています。きょうは検査の現状と課題についてお伝えします。
AMH検査は卵巣の中に卵子がどれくらい残っているかを測るものです。そもそも女性は、卵巣に一生分の卵子を持って生まれてきて、減っていく頻度には個人差があります。
なぜ、卵子の数を調べることが必要なのか?不妊治療を専門とする産婦人科医に聞いてきました。
鴨下先生:「生理が順調だと自分は卵子の数が多いと思っている人は結構多くて、でも測ってみると意外に年齢層より低かったりすることで、すごくショックを受ける人もいる。現状、自分の身体を知った上でその先ライフキャリアを考えていきたいのか考えたときに、自分の身体と自分の現在地をより正しく理解することで自分らしい決断ができると思うので、AMHの検査と婦人科の検査は今の自分を知るという意味では有用だと思います」
このAMH検査、課題もあるようです。それが認知度が低いということ。18歳から44歳の女性1500人を対象としたアンケート調査結果では、検査を知っていますかという質問に対し、全く知らなかったと回答した人が7割近くにのぼりました。
今回、街の人たちにAMH検査を知っているか、聞いてきました。
40代:「知らないです。これから出産を考えている人とかは参考になるというか、急いだ方がいいのかなとか参考になる」
30代:「知らないです。やはり可能性とかライフスタイルに合わせてある程度計画立てていけたらと思うので、事前に分かっていたほうが助かるというのはあります」
20代:「昔受けたことあります。自分の体調とかを知りたくて」
30代:「私の場合は結婚を機に、子どもを見据えるのであれば考えた方がいいよというのを雑誌で見て知って、女性への身体への負担が少ないというのはすごく良いことかなと思う」
検査自体を知らないと答えた人が多かったのですが、みな検査の存在を知ると一様に受けてみたいという声が聞かれました。
このAMH検査の費用は、約6000円から8000円ほどで受けられます。この費用を東京都は助成しています。助成の対象となるのは、都内に住む18歳から39歳で、医師による講義を受講することが条件です。参加者は後日、指定された医療機関で検査を無料で受けられます。都は取り組みを通して、妊娠や出産に関する正しい知識を若いうちから身につけてもらいたいとしています。
最後に、鴨下先生から検査について結果を受け止める上でのアドバイスをお伝えします。
鴨下先生:「高いからといって妊娠しやすいとか、低いからといって絶対に妊娠できないという値ではないので、そこを誤解しないでほしい。正しく理解をしていただく必要があるので、値だけに振り回されず、この値がどういうことを意味するのか、それから自分の今の背景と照らし合わせてどうしたらいいのかというところまで考える必要がある」
今回取材を通して感じたのは、働く女性が増える中で自分の将来に対し漠然と不安を感じている人も多いと思います。検査を受け数値で表すことで、将来設計を考えていくためのきっかけになるのではないかと感じました。知名度がまだ低い検査ですが、今後の広がりに注目したいと思います。
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