多摩地域の全ての自治体でPFASを検出です。有害とされる化合物PFASが多摩地域の水道水から検出されたことを受け、市民団体が多摩地域の789人を対象に血液検査を行ったところ、すべての市町村の住民からPFASが検出されたことが分かりました。
市民団体はこれまでに 北多摩地域の住民を中心に血液検査を行ってきましたが、追加の検査を新たに行い、9月21日に多摩地域全体の検査結果をまとめて発表しました。
京都大学 原田浩二准教授:「今回、追加調査によって多摩の30市町村全てで10人以上の参加者を確保して、その比較を行うことができた。その血液中濃度の比較においてはやはり、北多摩付近に居住している人はPFAS濃度が高いということが示せたと思う」
多摩地域全体の789人を対象にした検査の結果、全ての市町村の住民からPFASの成分が検出されたということです。また自治体別でみると、これまでの調査で高い値が出ていた国分寺市が多摩地域全体のなかで著しく高い値であることが分かったと指摘しています。
京都大学 原田浩二准教授「特に国分寺市、その周辺で目立って高くなっている。その結果と今回特に水道の利用状況に聞いたところからすれば、まず問題となっているのは、やはり普段飲まれているだろう水道水ですね。そちらの影響があったんだろう」
一方で八王子市や町田市、奥多摩町などでは値が低く、専門家は「健康へのリスクは低い」と分析しています。市民団体は原因究明のため、多摩地域の井戸や河川などで行っている水質調査の結果も近いうちに発表する方針です。
今回の調査結果では北多摩地域を中心に高濃度のPFASが判明していて、なかでも国分寺市で高い数値が確認されました。血液検査を受けた国分寺市の85人の住民のうち過半数にあたる45人が、健康被害が懸念されるアメリカの指針値を超えました。専門家の原田准教授は会見で「国分寺市の値は全国的にみても高く、PFASの検出が問題となっている沖縄県と比べても高い状況だ」と説明しています。また健康への影響については「影響は無視できずアメリカの指針値を参考にした対応を考える必要がある」と指摘しています。
多摩地域のいくつかの自治体では 議会に補正予算案を提出して対応を急いでいます。武蔵野市は、市内の学校の井戸から国の暫定目標値を超える濃度のPFASが確認されたことから、浄水器を設置する方針を示しました。そして今回、国分寺市に次いで高い値が確認されている立川市は、9月20日にPFASの対策会議を開き、対応策と予算規模を調査することを明らかにしたほか、市が所有する井戸などを調査するとしています。
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