9月21日は「世界アルツハイマーデー」 電話の応答でAIが認知機能を判定

2023.09.22(金)

10:30

9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。認知症に関する国際的な会議が29年前に開かれたことにちなみ、認知症への理解や認識を深める日です。この日、認知症の疑いがあるかどうかを電話でチェックできるサービスが発表されました。

9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。認知症に関する国際的な会議が29年前に開かれたことにちなみ、認知症への理解や認識を深める日です。この日、認知症の疑いがあるかどうかを電話でチェックできるサービスが発表されました。

NTTコミュニケーションズが9月21日に発表したのは、電話の自動音声によって認知症の疑いがあるかどうかを判定してくれるサービスです。音声が読み上げる言葉と同じ言葉を繰り返すなど、6分程度の質問に回答することでAIが脳の認知機能を判定します。

認知機能の判定は、問題の正答率だけでなく、回答の速度や話し方なども対象になっていて、5段階で評価されます。

開発担当者:「認知機能の低下は日本の社会課題になっているように、誰にでも起こる。記憶とかそういったところが低下しているなと言うように、気づかれた40代50代の方に是非ご利用頂ければ思っています」

認知機能の判定サービスにかかる費用は通話料のみで、誰でも利用できます。今後は、自治体などとの連携も計画しているとのことです。

それでは日本国内の認知症の現状を見ていきます。国内の認知症を患う人の数について政府が全体を把握するために活用しているのがこちらの指標です。青のグラフが認知症の割合が変わらないと仮定した場合の推計で、2020年には600万人を超え、2060年には850万人まで増加すると推計しています。

この大きな原因が高齢化ですが、さらに認知症の原因ともなり得る糖尿病患者が増え、認知症になる人の割合が増えていくと仮定すると、オレンジのグラフで表す推計に変化して、2050年に1000万人を超え、2060年に1154万人に上ると推計されています。

そして、認知症が増えることで深刻さを増す問題の一つが、徘徊です。認知症による徘徊で行方不明になる人の数はここ数年、右肩上がりで推移していて、去年は全国で1万8千人を超えています。

深刻化する認知症に対し、期待がかかるのが治療薬で、新薬が登場しています。それが、認知症の原因疾患の一つ、アルツハイマー病の治療薬レカネマブです。日本とアメリカの製薬会社が共同開発したもので、8月に厚生労働省の専門部会が製造販売の承認を了承しました。近日中にも正式に承認され、年内にも保険適用になる可能性があります。

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