葛飾立石 「呑んべ横丁」最古参のバー 最終日に密着

2023.09.06(水)

11:10

飲んべえの聖地と呼ばれる葛飾区にある京成立石駅北口の「呑んべ横丁」が、再開発のため9月から取り壊されることになりました。惜しまれつつも店を閉じることになった「最も古いバー」の最後の1日に密着しました。

飲んべえの聖地と呼ばれる葛飾区にある京成立石駅北口の「呑んべ横丁」が、再開発のため9月から取り壊されることになりました。惜しまれつつも店を閉じることになった「最も古いバー」の最後の1日に密着しました。

昭和の情緒あふれる昔ながらの飲み屋が集まる、立石の「呑んべ横丁」。その「呑んべ横丁」で50年以上に渡ってお酒を提供してきた最古参のバー「ニュー姫」です。再開発が進むこの場所で最後の営業となった8月31日、その別れを惜しむ客で賑わっていました。

2回目の来店:「お店の雰囲気もさることながら、この街の人はみんな温かいので、今寂しい気持ちで一杯ですよね」

37年来の常連客:「一番思うことは、もっと37年前にもっともっとこういう若い人たちが、人が集まってくれたら(再開発は)違ったのかなという感じはします」

40年来の常連客:「ここのママに「ちょっとお店手伝え」といわれてアルバイト。お客さんが来ると「飲んじゃいな飲んじゃいな」と言われて飲んでましたね」

それぞれが思い思いに語る中、こんな人も来店。建物が壊される前にすべての酒場を訪れたいと、立石をめぐっていた内藤大助さんは今年5月に来店し、ニュー姫の魅力に取りつかれたといいます。

内藤大助さん:「一番はマスターですよ。とにかく優しいね、居心地がいいのよ。だからお客さんもそういう人たちばっかり、優しい人しかこない。そういういうのを引き寄せているのかなマスターは」

店を開いた先代のママは去年5月に亡くなりましたが、その意思を娘夫婦が引き継ぎ、義理の息子である小屋敷さんが店を切り盛りしています。小屋敷さんは、長年店を続けられたことへ感謝の気持ちであふれていました。

小屋敷良一さん:「なんかありがたいですよね、そんな経ったかなって感じですよね。本当ありがとうございますですよね。長年ありがとうございましたですよ」

初代ママ 石毛たかさんの娘 小屋敷由美さん:「母もお店が大好きで、自分の命と同じでしたから。そこがなくならずに、また主人の形で「姫」を再生していただいたということは、すごく感謝してます」

午前1時…看板の明かりを落としたあとも、店内では名残を惜しむ客で賑わっていました。

「じゃあラストの乾杯!乾杯!」

楽しい時間は早く過ぎるもの…午前3時近くまで宴は続き、集まった客で記念撮影をし、最後の思い出を作りました。

「またね、バイバイ。バイバイじゃないけどさ」

再会を誓い、握手で別れるマスターと常連客たち。そして…立石で最も古いバーの歴史に幕が下されました。

小屋敷良一さん:「終わっちゃうんだなという感じですよね。往生際が悪いですよね。だけどありがとうですよ。きょうぐらい活気があるのをまた期待してます」

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