デフサッカー日本代表候補が強化合宿 2025年東京でデフリンピック開催

2023.08.03(木)

10:50

聴覚に障害があるアスリートのためのオリンピック、デフリンピックが2年後に東京で開催されます。品川区で行われたデフサッカー日本代表候補の強化合宿を取材しました。

聴覚に障害があるアスリートのためのオリンピック、デフリンピックが2年後に東京で開催されます。品川区で行われたデフサッカー日本代表候補の強化合宿を取材しました。

この日、品川区のグラウンドで行われたのが、デフサッカー日本代表候補の強化合宿です。使うボールやコートの大きさなど基本的なルールは通常のサッカーと変わりませんが、選手同志のコミュニケーションは手話やジェスチャーを使って行われます。

記者:「今実戦形式の練習を行っているんですが、プレーしている時間と同じくらいの時間をかけて入念に一つ一つの動きだったり指示の仕方このあたりの確認作業を行っています」

通常はプレー中に声をかけあって連携するのが当たり前のサッカーという競技で、聞こえない選手同士がどれだけスムーズに意思疎通を行えるかが試合のカギをにぎります。

植松監督:「大きく使われるパターンとして3つあり、まず1つ目にアイコンタクトがあります。次にジェスチャーがあり、最後に手話があります。この3つの使い分けがどういうふうに使っているのかっていうのが、デフサッカーを見る魅力、楽しみだと思います。もっというとこの3つが上手な選手が、日本代表に選ばれる基準のひとつになっています」

今回、招集された代表候補の中には東京にゆかりのある選手も多く、地元開催のデフリンピックに向け、ベテランも若手も一緒になって士気を高めています。

千葉選手:「2年後のデフリンピックに向けてどう繋げていくかもすごい大事になってきますので、今までの経験を活かしつつチームにもそれを伝えられるような立ち位置でやっていきたい」

名村選手:「デフリンピックはやはりホームの東京での開催ということもあって、より自分たちの活動が知られるときになるので、結果を残して行くのが一番かなと思っています」

そして、選手たちのモチベーションを高めているもう一つの要因がありました。ユニホームです。これまでの日本ろう者サッカー協会のロゴから、日本サッカー協会のヤタガラスのロゴが入ったA代表と同じユニホームを、今年からデフサッカーの代表も着用するようになったんです。

名村選手:(Q:何か心境の変化はありますか?)「すごく責任が重くなったなって感じで、より自分としての行動も改めて考え直さないといけない」

千葉選手:「着るからには結果を出さないといけないという思いが、どんどん強くなっている」

合宿の2日目には、そのユニホームをまとって強化試合に臨みました。相手は元サッカー日本代表の槙野智章さんが監督を務める、健聴者の社会人リーグに所属するチームです。サポーターの声援にも後押しされ、3つのゴールを奪うも惜しくも逆転負け…。試合後のミーティングで松元キャプテンは、負けた悔しさがありながらも、口にしたのは感謝の言葉でした。

松元キャプテン:「僕らにとって、このウェアを着てこんなにたくさんの人がいる中で試合ができることって、今まで本当に考えられない世界で過ごしてきて、本当にこうしてたくさんの人に支えられてサッカーができることって幸せなことなんだなって改めて思いました。」

来月には、デフサッカーのワールドカップに出場する日本代表。目標とするデフリンピックの金メダル獲得へチームに迷いはありません。

 

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