熱中症対策教育現場でも大きな課題となっています。日本スポーツ振興センターの最新の調査によりますと、全国の中学・高校で2021年度には2285件の熱中症が報告されていて、そのうち6割近くが運動部などの部活動で起きているということです。こうした部活動での熱中症を防ごうと、三鷹市の中学校で最新技術の対策グッズを使った取り組みが始まっています。

三鷹市は今週からウェアラブル機器のメーカーなどと共同で、部活動の時に熱中症のリスクを減らすにはどうしたらいいのかを検証する調査を始めました。三鷹市の4つの市立中学校で様々な部活動に所属する生徒約400人を対象に、熱中症を防ぐための最新の製品や体に装着する端末を貸し出し、約2ケ月にわたり検証します。
生徒はまず、部活動の前に温度を10℃に保つ「蓄冷材」を握って手のひらを冷やします。開発したシャープによりますと、運動前に冷やすことで、体温の上昇を抑制する効果が期待されるということです。
陸上部 2年生「なにも持ってない状態よりも、すごいクールダウンしてる感じがありますね。固体のままでも全然痛くないし、ジェル状になっても、そのまま冷たさがあるので、とてもよい」
また、生徒たちが腕に装着した端末は体温の上昇を感知できるもので、部活動中に得られたデータは練習内容による熱中症のリスクの分析に役立てられます。さらに、この端末は熱中症の危険があると知らせてくれる機能も備わっているため、アラートを受けて練習を中断した生徒も。
テニス部 1年生:「普段ならそのまま運動してたけど、これがあったことで休憩したほうがいいんだなというサインが分かっていいかなと思った」
三鷹市の教育委員会は、今回の調査結果を学校における部活動の熱中症対策に反映させていく方針です。