横田基地で「PFAS」泡消火剤が漏出 小池知事「詳細伺いたい」国に情報求める

2023.07.07(金)

10:50

米軍横田基地で、健康への影響が指摘される化学物質「PFAS」を含む泡消火剤の漏出が3件あったことが確認されました。小池知事は「詳細を伺いたい」として、漏出場所などの細かい情報を提供するよう国に求めました。

米軍横田基地で、健康への影響が指摘される化学物質「PFAS」を含む泡消火剤の漏出が3件あったことが確認されました。小池知事は「詳細を伺いたい」として、漏出場所などの細かい情報を提供するよう国に求めました。

東京都によりますと7月4日、防衛省が横田基地の飛行場において、2010年から2012年の間に3件、PFASを含む泡消火剤の漏れがあったと明らかにしたということです。この事案は、米軍から説明を受けたことで分かったとしています。泡消火剤はドラム缶や格納庫から漏れたもので、米軍は「飛行場の外に流出したとは認識していない」としています。

東京都は「速やかに報告がなかったのは遺憾」だとして、防衛省に対して地下水への影響を公表するよう要望しました。

小池知事:「基地内の情報というのは、環境調査というのはなかなか難しいものがあります。実際にそれが漏出していたのがいつなのかということなども、詳細は伺いたいと思います」

そして、小池知事は安心安全な対策に繋げることを求めています。

7月6日、多摩地域の住民に対してPFASの血中濃度を調べてきた市民団体の共同代表は、横田基地が漏出を認めたことで、「ようやくスタートラインに立った」と話します。

根木山共同代表:「やっとこれでスタートラインというか事実を認めて、問題はこれから汚染対策・除染問題をどうやっていくのかというスタートにやっと着けたという思いだ」

一方、専門家は国とアメリカ軍が公式に漏出を認めたことが重要だと話します。

原田准教授:「重要なのは、日本の防衛省が公式にこれを認めたということですね。それが米軍とのやりとりのなかで公式なものとして、双方の認識になったわけだ。そこは大きいことだと思っている」

その上で、基地の中の事案であっても周辺地域への影響を注視する必要があるとしています。

原田准教授:「土壌を通じて地下水に入っていくということが当然想定される。どれだけ地下水に影響を及ぼしているのか、しっかりと明らかにする必要があると思っている」

多摩地域の水道水から化学物質の「PFAS」が検出されている問題ですが、原因の可能性として指摘されていた、アメリカ軍の横田基地がPFASを含む泡消火剤の漏出を認めました。漏出は3件で、2010年1月に格納庫で、2012年10月にドラム缶から、そして、2012年11月に、保管容器から漏出していたということで、横田基地側は「基地の外へ流出したとは認識していない」としています。

この件を受け、東京都や基地周辺の自治体は、国に対し、詳細の迅速な提出や、地下水への影響について、調査・分析・評価を行い、地下水への漏出が判明した場合は、速やかな情報提供を行うよう、要望書を提出しています。

これに対し防衛省は、「現時点ではコメントしない」と私たちの取材に答えています。一方で、都の地下水の調査では、横田基地から遠く離れた、渋谷区などでもPFASが検出されていて、横田基地以外の漏出場所の特定も急がれます。

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