新宿区歌舞伎町の一角に集まる未成年、いわゆる「トー横キッズ」を犯罪などから守るための提言です。有識者を交えた都の専門部会が「一歩踏み込んだ実態把握」を行うなど、提言の素案をまとめました。
専門部会で示された素案では、SNSの投稿を収集し「トー横キッズ」の実態を分析するなど、「一歩踏み込んだ実態把握」が必要だとしました。また犯罪を未然に防ぐために、気軽に相談できる窓口が必要だと提言しています。
そのほか、ホテルなどで犯罪被害に遭っている事実もあると指摘し、正当な理由なく未成年者が宿泊している場合の対処法の啓発を行うべきとしています。ただ、それでも改善が見られない場合は、都の青少年健全育成条例の改正など規制を行う事も考えられるとしています。この素案は今年夏頃に東京都への答申としてまとめられる予定で、東京都はこれを受けて対策を検討するとしています。
いわゆる“トー横キッズ”への新たな支援策の素案について、改めて見ていきます。歌舞伎町の一角に集まる未成年者、いわゆる「トー横キッズ」は、中高生が中心ですが、小学生も確認されていて、女性が多い状況だということです。
集まっている未成年者の特徴としては、家庭や学校に悩みを抱えていて、家庭関係では、家族との不和や児童虐待、学校関係では、友人との不和やいじめなど、様々な理由が存在しています。
集まる理由としては、「同じ境遇の人に会いに来た」や、「トー横は自分を否定せず認めてくれる」と、「居場所」を求めてきているということです。そしてこうした未成年者が、悪意のある大人によって、児童買春などの犯罪被害やトラブルが断続的に発生しています。
現在も官民による対策は取られていますが、改善が見られないため、更なる対策として、トー横キッズに対しては、「一歩踏み込んだ実態把握の実施」「気軽に来ることができる相談窓口の構築」、これは、将来的にはメタバースなどを活用し、ネット空間に設置することも提案されています。そして「保護者への支援」も必要だとしています。
また、悪意ある大人への対策として「SNS上の広告での啓発強化」や「トー横周辺のデジタルの看板や掲示板などを活用した警告メッセージの発信」などを、積極的に推進すべきと提言しています。さらに、トー横周辺のホテルやネットカフェなどにも啓発を実施すべきとしていて、効果が出なかった場合は、都の条例を改正するなど、何らかの規制を行うことも考えられるとしています。
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