相次ぐ強盗事件…今年1月から5月までの都内の強盗認知件数は、104件。そこで今回、都内にある警備会社が開発した、防犯装置や犯罪を未然に防ごうと街づくりから力を入れる自治体を取材しました。

都内では今年に入ってから毎月約20件の強盗が発生しています。こうした中、三鷹市にある大手警備会社の研究施設では、様々な防犯装置の開発が進んでいます。
記者:「こちらはセコムの研究開発施設の一角です。仮に私が泥棒であると想定して、こちらに物をとりに入ってきたと想定します。それでは、お願いします」
担当者:「(カウントダウン)3秒前・2・1」
記者:「うわっ、すごい音ですね、煙で全く前が見えないです、身動きがとれません」
周囲に響き渡る飛行機のエンジン音と同レベルの破裂音。さらに、天井からは白い煙が噴射され、侵入者の視界を奪います。こちらのフォギープロテクションは、音と煙で侵入者の犯行の意欲を低下させ、犯罪の抑止に効果を発揮します。
セコム 濱田研究員:「音と煙を充満させて戦意喪失を狙った。入ってすぐに品物を盗んで逃げていく、短時間犯行が多くなっているので、そういうシーンにおいて非常に有効に働くのではないか」
一方、住民の防犯意識を高め、犯罪の抑止を目指す自治体も。足立区では、区が示す防犯の基準を満たした住宅地を「防犯設計タウン」として認定する制度を設けています。
記者:「こちらは区から認定を受けたエリアです。認められた証としてプレートが設置されています。さらに公園の植栽も死角を極力少なくするため、高さを低く設定しているということです」
2016年2月に「防犯設計タウン」に認定された、足立区東六月町の住宅地「ココロシティ」。このエリアでは、全ての住宅に録画機能付きインターホンを採用したほか、夜間に全ての住居の門燈をつけるように取り決めています。さらに、公園の生垣の高さを低くし、見通しを確保するなど、地域全体で防犯意識を高めているということです。足立区の担当者は…
足立区 高橋課長:「防犯設計タウンの住宅購入者にアンケートをとったところ、住んでみて、防犯効果を実感できるという声を多くいただいている」
足立区が住民にアンケートを行ったところ、90%以上が防犯への効果を感じています。足立区は今後も防犯設計タウンの認定制度などを活用して、犯罪を未然に防ぐ地域づくりを目指しています。
足立区では防犯設計タウンの認定制度のほかにも、区民らをまきこんで防犯のボランティア活動を推進しています。「ながら見守り」というボランティア活動です。例えば、散歩やジョギングを「しながら」など、気軽に携わることができます。「ながら見守り」では、不審な人を目撃したら110番通報することや、地域の人に目を配り声掛けなどをします。足立区内で働く清野さんが雨の日の夜に、濡れながら一人歩く男の子をみかけた時に声掛けして、傘を貸して自宅まで送り届けたそうです。このように地域の人が子どもに寄り添う活動になっています。