自転車に乗る際のヘルメット着用の努力義務化開始からまもなく3カ月。多摩地域の自治体では、ヘルメット購入に助成金を出す市が増えています。市民にとってはうれしい助成の一方で、品不足の問題も加速しています。
長友市長:「自転車用ヘルメット購入費の助成を行う。2000円の補助を考えているという内容であります」
調布市の長友市長は、6月8日の記者会見で、市民が自転車用ヘルメットを購入する際に、助成金を支払う方針を発表しました。今年4月の道路交通法改正により自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されたことに伴うもので、6月27日に行われる市の委員会で協議され、7月4日に議案が提出される予定だということです。助成金の対象となる製品はSGマークの認証がついた新品のヘルメットで、金額の上限は2000円。6000件分を用意するということです。
調布市民:「子どもが成長するに従って、新しくヘルメットを買わないといけなくなったりすると思うので、そういう補助が出ると大変うれしい」「ヘルメット自体を被ったことがないから、重いのか軽いのかも分からないし、動きやすさとかもわからないので、もし助成金が出るなら(購入を)考えてもいいなと思います」
多摩地域の自治体では調布市のほか6月に入り、武蔵野市や三鷹市・福生市・あきる野市・瑞穂町で、自転車用ヘルメット購入に助成金を出すことを発表しています。
購入費の助成が加速する一方、5月1日から申請を受け付けている西東京市では”問題”も発生しています。
記者:「こちらは西東京市の自転車店ですが、店内を見渡してもヘルメットは見当たりません」
店員:「在庫がなくて部品屋さんの方にも在庫がないそうでそうなんですよ。いつになるか分からないので…。(今何の電話でした?)ヘルメットの在庫確認です。手に入らないから在庫もないのかって感じで」
道交法改正直前の今年3月から、ヘルメットの品薄状態が続いていたというこちらの自転車店。5月の市の助成事業開始以降、店頭からヘルメットは無くなり、現在は約3カ月先に手元に届くという予約注文を受け付けるのみということです。
サンサイクル 藤井さん:「お客さんに問合せされてもそういう状態なので、物がないから本当に困っちゃう。メーカーで増産してもらってということしか希望は言えないですけどね…」
ヘルメット着用を促すための助成金事業。今後、助成が始まる自治体でも、製品不足によってヘルメットの着用が進まない可能性も懸念されています。
多摩地域では自転車用ヘルメットの助成金事業の発表が相次いでいますが、対象となる条件が自治体によって異なります。6月に助成金事業を発表した自治体は6カ所で、いずれの自治体も助成額の上限2000円は変わりませんが対象が異なります。
あきる野市の対象は全市民と人数などの制限はありません。福生市は18歳以下と65歳以上、瑞穂町は18歳以下と65歳以上、そして未就学児童と一緒に生活する保護者が対象となります。武蔵野市では人数や年齢の制限はありませんが、市が実施する自転車安全利用講習会を受ける必要があります。また、調布市は先着6000件分、三鷹市は先着3000人とこちらは数の制限が設けられています。
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