今回は違法ギャンブル「オンラインカジノ」について取り上げます。カジノといえばポーカーやルーレット、バカラなどさまざまなゲームがありますが、オンラインカジノはこうしたゲームをこのスマートフォンやパソコンで行うことができます。もちろんこれにお金をかけると犯罪となります。ただ、それにもかかわらず利用者は近年急増していて、中には数千万円以上の多額の借金を背負う人も出ています。これまでのギャンブルとは全く違うという「オンラインカジノ」の怖さについて取材しました。
5月15日に衆議院会館で行われた、ギャンブル依存症に関する勉強会。国会議員や関係省庁の職員、そして依存症患者やその家族が参加し、この病気の現状や課題について話し合いました。そこで喫緊の課題として挙がったのが…
依存症対策議員連盟会長 中谷元衆院議員:「特にオンラインカジノの問題を中心に議論をしていこうということで」
オンラインカジノとは、インターネット上で行うカジノで、国内では金銭を賭けると賭博罪となり、50万円以下の罰金又は科料となる犯罪行為です。なぜ今、オンラインカジノが危険視されているのか。勉強会を主催したギャンブル依存症問題を考える会代表の田中紀子さんは…
ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子代表:「コロナ禍によって、オンラインでできるギャンブル、違法であるオンラインカジノ、これにハマってしまう人たちの相談がものすごく増えている」
コロナ禍によって家に篭る生活が続いたことにより、スマホ1台でできるオンラインカジノの利用者が爆発的に増えたと言います。さらに、インターネットでオンラインカジノについて検索してみると、国内で利用すれば犯罪となるにも関わらず、日本語でオンラインカジノを勧めるサイトがたくさん並んでいました。こうした環境も、オンラインカジノの利用者を増やす一つの要因と見られています。
勉強会に出席した30代の女性、2人の子を持つ安藤さん(仮名)。上場企業に勤めていた夫はコロナ禍のストレス発散の為に始めたオンラインカジノにのめり込み、家族の生活は一変しました。
安藤さん(仮名):「年金生活の親から200万円ものお金を借りてしまいました。少しずつ貯めていた教育資金も全部使いました」
安藤さんが何度説得しても夫のギャンブルは止まらず、借金は1千万円以上に。夫は自己嫌悪からうつ病を発症し、自殺についても口にするようになりました。現在、夫は精神病院に入り治療を続けています。
安藤さん(仮名):「私たちみたいな家族を減らしていきたい。それが今の私の一番の思いです」
勉強会には、ギャンブル依存症の当事者として以前番組で取材した遠藤さん(仮名)の姿も。遠藤さんもコロナ禍でオンラインカジノに熱中し、2年で7000万円の借金を抱えました。
遠藤さん(仮名):「賭け金は100円から100万円まで使えまして、これは総額ではなくて1回のプレイが100円から100万円までできるという状況」
これは遠藤さんが当時、オンラインカジノをしていた時の銀行口座の明細です。わずか数分の間に100万円が何度も出金されているのが分かります。支援団体の田中代表は、この問題を解決するには国としての対策が必要だと訴えています。
田中さん:「今の日本の法律だと取り締まれないというようなご回答がすごく多くて、だとしたらオンラインカジノの広告を止めさせる、オンラインカジノ対策という法案を新しく作っていただきたいなと切に願っています」
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