TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。5月5日(金・祝)放送の「New global」のコーナーでは、NATOの東京事務所開設から見る“中国のサイバー攻撃の脅威”について着目しました。
◆NATOの連絡事務所が東京に開設
NATO(北大西洋条約機構)がサイバー防衛などの分野で日本と協力を深め、2024年中に東京に連絡事務所を開設することが一部報道でわかりました。これにより、韓国やオーストラリア、ニュージーランドなどNATOの安全保障パートナーとのより一層の連携が可能になります。一方で、中国の外務省は、NATOの東方拡大に高度の警戒が必要との見解を示しています。
昨年、ロシアがウクライナへの侵攻を始めましたが、これはそもそも旧ソ連から独立した国々のヨーロッパ接近にロシアが反応したことが発端。そして、侵攻後は北欧の国々もNATOへと接近し、今年4月にはフィンランドが新たに加盟しました。
この状況にアルピニストの野口健さんは「元を正せば、本来フィンランドもスウェーデンも中立だった。ロシアがウクライナに攻め入らなければこうはならなかった」と主権を暴力で脅かすロシアの非を認め、「NATOが日本に事務所を置くのも当然の流れ。ロシア、中国の脅威が増すほど日本も関わっていかなければならなくなってくる」と指摘。
キャスターの堀潤も頷きつつ「今、時代は大きな転換期を迎えていることを自覚するべき」と話します。
◆サイバー対策が脆弱な日本、一方で中国、北朝鮮は…
今回の事務所設置の背景には、対中国のサイバー攻撃にNATOの力が必要と堀は説明。実際、中国からのさまざまなサイバー攻撃が明らかになっています。そのひとつが中国人民解放軍 第61419部隊が主体となっている「Tick」で、これまでJAXAなど約200社サイバー攻撃の被害に。また、中国国家安全部の「APT40」は世界規模でのサイバー攻撃キャンペーンに関与していると言われており、すでにアメリカのFBI(連邦捜査局)が公開捜査を行っています。
その他にも、中国人民解放軍と中国国家安全部は在アメリカ6組織からの情報を窃取していることが判明しており、さらにロシア連邦軍・参謀本部情報総局(GRU)はウクライナの大規模停電や韓国・平昌冬季五輪大会の妨害、米国大統領選挙を狙った情報窃取・暴露などに関与していると言われています。
また、北朝鮮のサイバー部隊・北朝鮮偵察総局もソニーピクチャーズのシステム破壊・情報窃取、韓国・ドイツの新型コロナ治療薬の情報窃取などが明らかになっており、堀は「これは我々にとって大きな、大きな課題」と警戒心を顕にします。
というのも、サイバー部隊を権威主義的な国は増員しているにも関わらず、日本の人数は1,000人未満でとても脆弱だから。中国は関連職員を含めるとサイバー部隊の人員は、約17万5,000人。これはアメリカも遠く及びません。また、北朝鮮にしても確実に増長しており、堀は「いくら戦艦やミサイル、ロケットが買えると言っても、我々が一番近いスマホやパソコンの端末に直接侵入できるこの脅威」と危機感を募らせます。
キャスターの豊崎由里絵は、NATOに加盟していない日本に連絡事務所を設けることになったのか、その背景を知り「確かに中国がこんな状況なので、あったらいいなと思いますね」と納得。
決して油断できない状況に、堀は「こうしたなかで何ができるのか。本当に対立と分断だけでいいのか。いろいろなウイングを持っておく必要があると思うし、現状を知っておくことも必要」と視聴者に訴えていました。
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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag
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