働くママのリアルな声を取材…日本の少子化対策への要望とは?

2023.05.08(月)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、“働くママに必要な子育て支援”をキャスターの田中陽南が取材しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、“働くママに必要な子育て支援”をキャスターの田中陽南が取材しました。

◆現役ママたちが今、育児に求めるものとは?

2021年の出生数は約81万人。6年連続で減少しており、2022年は80万人を割り込む見通しです。

そうしたなか、年頭の記者会見で岸田首相が口にし、注目されているのが「異次元の少子化対策」。深刻な課題にようやく重い腰を上げつつある政府ですが、ママたちは出産や子育てにあたって何を求めているのか。

それを確かめるべく、田中は銀座にある株式会社ランクアップへ。こちらはオリジナルブランド化粧品の開発・販売を行う会社で、社員の8割が女性で、そのうちおよそ半分がママ

病児ベビーシッター使い放題(1回300円)や1時間単位での有給取得可能など独自の福利厚生などにより、育休・産休からの復職率100%という脅威の数字を実現しています。

今回はそんな株式会社ランクアップで働くママ3人。1歳と2歳の子どもを持つ安達さん(28歳)、2歳と7歳の子どもを持つ近藤さん(41歳)、そして5歳と8歳の子どもを持つ末竹さん(42歳)に、日本の少子化対策への要望を伺うことに。

まずみなさんの口から出てきたのは、“お金”に関する要望でした。

安達さんが「出産にかかる費用を調べたとき、こんなにかかるんだと初めて知ったんですけど、その先のほうがかかっていく。教育費に関して何かしてもらえることがあればありがたいです」と希望を言えば、近藤さんは「子どもがこの先どういう進路を進んでいくのか。公立・私立どっちに行き、大学は行くのか。私たちの老後の資金も確保しなくてはいけないし、プラス子どもたちにかかるお金もみていかないといけないとなると、先々にかかるお金はきちんと把握しておかないといけないので、不安はありますね」と案じます。

また、末竹さんからも「子どもが何かをやりたいと選択したときに、それをやらせてあげられる準備をしないといけないとは思っているんですけど、子どもが3人目、4人目って考えるとかかる金額が膨れ上がっていくことが大きい気はしています」と不安の声が。

◆昨今話題の育休中の学び直し、そんな余裕は…

子育て支援を巡っては、国会で児童手当の所得制限を撤廃する議論が加熱しています。しかし、その恩恵を受けられるのは1割程度とも言われており、今後さらなる異次元の対策が注目されます。

子育てに関する不安や要望は他にも。近藤さんは「子どもが小さいとすぐに体調を崩したりするので、そうしたときのサポート。働きながらも子どもが見てもらえるシッターさんの制度があったりすると、すごくいいなと思います」と望みます。安達さんからは「例えば離乳食を食べてくれなかったり、どうしたら子どもが寝てくれるんだろうっていった悩みをひとりで抱え、孤独に思ってしまうことがあると思うんですけど、そういったことが共感できる場所がもっと増えていけば」との意見が。

そして、末竹さんは異次元の対策に対し「各会社に対しての支援とか、そうしたところも何か大きな変化はあるのかなって期待はあると思います」と思いの丈を語ると、田中も「確かに、会社に対しての支援っていうのが、一つ大きいですよね」と共感します。

さらに話題は、昨今さまざまな議論を呼んでいる育休中の学び直しについて。田中が「岸田首相が育休・産休中も含めて『学び直しも支援します』と言っていましたが、実際に育休・産休中にキャリアアップに向けた自分の時間は取れるものですか?」とストレートな質問をぶつけると近藤さんは「ないですね」と苦笑い。

末竹さんも「毎日バタバタで、トイレに行くタイミングとかも1人目のときは全く余裕がなくて、毎日子どもと接したり、家事をこなすだけでも本当に…そういうような状況だった気がします」と当時の心境を明かします。そして、近藤さんは「自分が今やらなくてはいけないのは子どもを育てること。ある程度成長すれば少しずつ時間も取れるでしょうけど、今はそれを1人でやるのは難しいので、例えばシッターさんが来てくれて、見てもらっている間に勉強しに行くとか。そういったサポートがあるとすごく嬉しいなと思います」と熱望。

◆ママが育児と仕事を両立するために必要なこと

そうした声があるなか、ランクアップ社の社員のなかには育休中の学び直しを実現した方もいます。2歳の子どもを持つ村上さん(31歳)は、育休・産休中にインターンに参加。そこではクラウドファウンディングやSNSの運用などを手伝っていたそうです。忙しい育児のなかで、なぜ仕事との両立が可能だったのか聞いてみると「その時期は、とにかく“ネントレ”を頑張った」と村上さん。

“ネントレ”とは「ねんねトレーニング」の略称で、赤ちゃんが決まった時間に1人で眠れるように、寝るときの習慣を決めて行う睡眠トレーニングのこと。

子どもが自分で寝られるようになれば、その分ママの時間もできます。村上さんは「(子どもが)ベッドに置けば寝るという状態を作って、その後に1~2時間作業したり、もう一度英語も勉強しようかなと思って、その辺りを見直したりしていました」と話していました。

仕事と育児を両立できた理由としては、その他にも、時間の融通が効くなどインターン先の働き方が自由だったこともポイントだと村上さんは話していたそうです。取材した田中によると、多くのママさんからはパパへの教育も必要との意見が。パパがもっと育児に参加できるような場や、講習会などの拡充を望む声もあったということです。

育児の問題について、インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは「やはり男性の働き方と育児参加がキー」と指摘。自身が推進する「FIFTYS PROJECT」には育休中にボランティアとして参加してくれる方もいて、そこでもパパの協力でより働きやすくなっているのを実感するそうで「結局、(育児は)母親だけがやらないといけない、そこが変わらないといけない」と訴えます。

モデルでタレントの藤井サチさんは、株式会社ランクアップの福利厚生、ベビーシッターが1回300円でお願いできる制度を評しつつ、子どもが2人目、3人目…と増えると経済的に厳しくなるという声については「やっぱりそこは“N分N乗方式”なんじゃないかなと思った」と昨今議論されている少子化対策に言及。

株式会社ゲムトレ代表の小幡和輝さんは、自身の会社ではスタッフの約40%がママで、オフィスはなく100%リモート。さらに就業時間の決まりもなく「だいぶ自由に働いてもらえるかなと思う」と語りつつ、田中が取材した模様を観て「(ゲムトレでは)できる範囲のことはやっているが、もっとやれることはたくさんあるなと感じた。それをやる力というか、会社としてまだまだ必要なものはあると思いました。頑張ります」と気付きがあった様子。

ここでキャスターの堀潤は、子育てしやすい社会の実現に向け、当事者の声を見える化する「みらい子育て全国ネットワーク(miraco)」を紹介。そこではTwitterで子育て政策に関するさまざまな企画を実施しており、なかには「『異次元の子育て政策』王座決定戦」なる面白い試みも。

これはみんなが今、育児のどこにニーズを感じているかのアンケートで、例えばお金に関しては「全ての所得制限を撤廃」、「ひとり親支援の所得制限廃止」、「看護休暇の回数無制限」の3択で「全ての所得制限を撤廃」が8割を占め、「結婚・出産、社宅制度(の拡充)」、「1人産んだら1,000万円給付」、「出産・育児の前に性教育」の3択では「1人産んだら1,000万円給付」に最も多くの票が集まっていました。

そして、番組Twitterの「スペース機能」には、miraco代表の天野さんが出演。「今、(サイトには)いろいろな子育て政策、異次元のものが出ているので、ぜひTwitterで参加していただいて、こんな政策もあるんだなと発想の転換をしてもらえれば。みなさんに見ていただければ嬉しいです!」とアピールしていました。

※この番組の記事一覧を見る
    
<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

 

この記事が気に入ったら
「TOKYO MX」 公式
Facebookアカウントを
いいね!してね

RELATED ARTICLE関連記事