投資の対象、資産価値としても見込めるNFTアート、その現状を専門家が解説

2023.04.27(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、世界中に広がる“NFTアート”について解説しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、世界中に広がる“NFTアート”について解説しました。

◆ここ数年で大きく普及する「NFTアート」とは?

今回、「NFTアート」について解説するのは、投資のスペシャリストとして活動する傍ら現代アートの普及につとめるアートナビゲーターとしても活躍する小池藍さん。

NFT(非代替性トークン)とは“Non-Fungible Token”の略で、デジタルデータに唯一無二性の証明をつけることが可能になったブロックチェーン上のシステムのこと。例えば、既存のデータであれば容易に複製できてしまいますが、NFTであれば一点ものであるという証明、保証がされています。

そんなNFTの作品がNFTアートで、例えばBeepleという作家が作った作品「Everydays : The First 5000 Days」は、オークションで約75億円で落札されました。これは彼が過去に作った作品を全てコラージュしたもので、初のNFTアートという話題性もあり、これだけの高値がついたと小池さん。

◆1年で価格が100倍に…世界中が大注目

現在、NFTアートは世界的な注目を集めるなか、2022年11月にはNFT作品の展示に特化した3Dの仮想空間ギャラリー「MO|NAバーチャルギャラリー」のベータ版が公開されました。

これは閉館時間を気にすることなく24時間作品が鑑賞可能で、作品に近づくとアーティストの情報もしっかりと表示され、「美術館でありながら購入が可能というのが大きな特徴」と小池さん。

NFTアートを数点所有しているというキャスターの堀潤は「これはなかなか面白い」と興味を示しつつ「集まった人同士でも交流できれば」と理想を語ります。小池さんによると、今後はチャット機能やVR機能など、さまざまな機能がアップデートされる予定だそうです。

アフリカの紛争問題を研究する東大院生の阿部将貴さんも感想を共有するシステムや作品解説、作者の意図が読み解ける機能を望み「美術館のものは購入できないし、仮に購入できたとするとその場所から作品がなくなってしまうが、NFTであれば、その場にあり続けることもできる。それはすごくいいなと思った」とNFTのメリットを語ります。

そんなNFTアートは、最近ではTwitterのアイコンに使われる事例が増えています。それらは海外の作品が多いものの、なかには日本で生まれた人気作品もあり、そのひとつが「CryptoNinja Partners(クリプトニンジャ・パートナーズ)」。特徴的な動物のキャラクターが描かれたこのNFTアートは約2万2,000点発売され、流通総額は約12億円。2022年の初期販売価格は約250円だったものが、今では約20万円を超えるものも。

こうした状況に、堀は「一度保有しておけば価値が上がるかもしれない。いわゆる投資の対象にもなっているんですね」と感心。

法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんは、「NFTアートは芸術性以上にNFTによる所有感、そこにアート的なところがあるのかなと思う」、「独占欲というか、僕らが持っている欲望が現れているところがあり、それがまた面白い」と自身の思うNFTアートの魅力について言及。NFTアートの仕組みなどについて、一部まだ理解しきれていない部分があるものの、今後は当たり前のものとなっていくのか、その動向を注視していると由井さん。

阿部さんによると、最近ではNGOやNPOなどの寄付金集めにおいてもNFTが活用されているそうで「アフリカの農家の方や子どもたちが描いたものを出品し、その利益の一部を現地の人の所得向上や教育に回す仕組みがとられていたりするので、これがどう発展していくのか注目している」と話します。

◆NFTは、さまざまな可能性が広がる新領域

最近では、NFTが福袋となって販売されたケースも。今年1月3日に販売されたNFT福袋は既存の福袋同様、誰の作品が入っているのかわからない状態で1,000個販売(1個 約1,700円)されたところ完売。しかも、今回はデジタルデータを引き換えると、マグカップなどのグッズが送付されるという仕掛けもあり、小池さんは「最近はリアルとの掛け合わせでNFTアートが活用されることが増えてきている」と解説。

Health for all.jp代表の茶山美鈴さんは、NFT技術が普及するなか、グローバルヘルスにおいても活用されているとして「インドなどではブロックチェーン上に個人の健康データを保存するNFT技術がすごく進んでいる」と説明。日本では“NFTアート=投資”というイメージを抱く人もいるとし、リスクなどについて「例えば法律の整備などを検討していきつつ、NFT技術の活用の面においていろいろと考えていかないといけない」と述べます。

この意見に対し、由井さんは「NFTだけが投機の対象になっているかといえばそうではなく、そもそも美術品もその対象なので変わらない」と持論を述べつつ、由井さん自身はNFTだからこそできることに注目。例えば、利益が生まれたときに分配されていくようなシステムが法的にも認められ、購入者に特典が入ってくるような仕組みが構築されるなどして、もっと普及していけば「とても面白くなる領域」と期待を寄せます。

堀は、「作品の価値が高まり、転売されたとしてもそれが作者のもとに還元されるような仕組みなど、これは未来の資本主義のあり方を先導するかもしれない」とNFTの可能性について言及。

小池さんは「デジタルデータなので幅広く知ってもらえるのもいいところ。最近では、タレントの香取慎吾さんもNFTアートのプロジェクトを立ち上げ、その売上を寄付金にしている。NFTアートは、まだまだ認知度は低いものの、メタバースやWeb3の発展とともにより普及していくと思う」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

 

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