防災に役立つ情報を発信する「TOKYO防災 A to Z」 火山噴火で想定される都内のインフラダメージとは?

2023.04.21(金)

17:00

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。
今回は防災特別企画「TOKYO防災 A to Z」で、東京都が想定する五つの危機のうちの一つ「火山噴火への備え」について紹介しました。

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。
今回は防災特別企画「TOKYO防災 A to Z」で、東京都が想定する五つの危機のうちの一つ「火山噴火への備え」について紹介しました。

◆TOKYO防災 A to Z #3 降灰対策

防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」。
今回は、火山が噴火したときの対応について取材しました。

美しい街並みと歴史ある文化が共存する、東京。
その発展の裏には、過去の災害によって培われた教訓を活かした街づくりがあります。
そして、その歩みは未来へ…。
備えよう、今も、100年先も、安心と安全を守るために。

頻発する自然災害に備え、東京都が想定する、五つの危機。
今回のテーマは、「火山噴火への備え」です。
世界の活火山の約1割が集中する火山大国、日本。
今後、噴火する可能性のある火山の数は、100を超えます。

中でも、噴火すれば、東京を含む広大な範囲に大きな被害をもたらす山が、最後の噴火から300年が経過した富士山。
それまでは、約30年に一度の頻度で、180回以上、噴火していたことが確認されています。

過去の噴火記録によると、長く休んで噴火すると、大規模で爆発的な噴火になりやすいといわれているのです。

その大噴火で警戒しなくてはならないのが、火山灰。
ひとたび富士山が噴火すれば、その影響は、90km以上、離れた都心にも及びます。
江戸時代に発生した大規模噴火を、現代の気象状況にあてはめて降灰量を推計したところ、都心部でも10cm以上も積もると推測されているのです。





降灰によって大きなダメージを受けるのが、都内のインフラ。
そこで、最悪のケースに備え、官民それぞれが、対策に力を入れています。

そのひとつが、道路。
火山灰が10cm以上、積もると、二輪駆動車は走行不能になり、緊急車両も走行が難しくなります。
その対策として、東京都建設局では、除灰を行うロードスイーパーなどの特殊車両で火山灰を除去。
優先的に除灰する道路を定め、交通機能を一刻も早く復活させる計画を進めています。





さらに、降灰は、鉄道でも影響を。
京王電鉄にお話しを伺ってきました。

(京王電鉄技術員・安藤正志さん)「鉄道の場合には、レールに灰が0.5㎜ほど積もっただけでも運休する可能性があり、大きく影響を受ける交通インフラのひとつです」

なぜ、レールに火山灰が積もると影響があるのでしょうか?

(京王電鉄技術員・安藤正志さん)「レールの中には、微弱な電流が流れています。灰が降ると、電気を通さなくなることがあり、その場合に列車の位置を検知できなくなってしまって、踏切・信号の誤作動に繋がる可能性があります」

電車は停止し、首都圏で大規模な交通麻痺が起こってしまいます。その対策として…。

(京王電鉄技術員・安藤正志さん)「レールの上から灰を取り除くための装置、『除灰カート』を準備しています」

ガソリンを燃料にして走る「除灰カート」は、先頭に付いたヘラとブラシによって、線路に積もった火山灰を取り除きます。
京王電鉄では、合計3台の「除灰カート」を要所に置き、火山噴火に備えています。



また、火山灰は、川の水を汚染し、私たちのライフラインである飲み水にも、大きな影響を及ぼします。
東京都水道局では、浄水場に屋根をかけたり、シートを被せたりして、火山灰の侵入を防ぐ対策をしています。





都市機能の停滞を長期化させないための対策が、日々、進められています。

都では、100年先も安心な都市を目指して、「TOKYO強靭化プロジェクト」を策定しています。
詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

関連リンク
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/kyoujinkaproject/














番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:杉浦みずき、白戸ゆめの
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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