TOKYO MX（地上波9ch）朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」（毎週月～金曜7:00～）。「コメンテーターZ モチコミ！」のコーナーでは、日本企業が参画しているインドの医療環境について、Health for all.jp代表の茶山美鈴さんがレポートしました。

◆日本企業がインドの医療をサポート、その目的は？

人口が急増し経済発展が進むインドを、先日視察してきたという茶山さん。日本企業がどういった医療支援や事業を行っているのかを見てきたそうで、その現場で感じたことが2つあったと言います。

1つは、民間主導の医療支援が拡充していること。例えば、日本の大手製薬会社・エーザイはヤラダ村でリンパ系フィラリア症の根絶に対する活動を行っており、現地ではその病気の媒介となる蚊の繁殖を防ぐために下水道を消毒。

さらに、病気に対する教育活動の一環として学校を建設したほか、薬を無料で配布してリンパ系フィラリア症を抑えるような活動をしていたと茶山さんは解説。

茶山さん曰く、エーザイによるこれらの活動は社会貢献事業、CSR(Corporate Social Responsibility：企業の社会的責任)ではなく、あくまで投資のためで「（エーザイは）この地域に貢献することで、将来的にこの地域の労働力が上がり、自分たちの会社に貢献する、マーケットの一部になると表現していた。それが印象的だった」と振り返ります。

また、バンガロールでは、豊田通商株式会社が先進的な病院「SAKRA WORLD HOSPITAL」を建設。

同院では、これまでインドにはなかった日本のリハビリ文化・サービスを提供していたそうで、キャスターの堀潤は「日本の医療、衛生、ヘルスケアなどの分野はまさに輸出し、市場を開拓できる大きな産業ということですね」と興味を示します。

◆政府＋民間が今後豊かさを生み出す鍵に!?

もう1つは、インドは発展著しいものの、政府が使える財源には限度があり、手が届かない場所があるのも事実で、そうしたところに日本の民間企業が参入していること。茶山さんは「インド政府がこの地域でこういうことがしたいという指標を出し、それに対して民間企業がどんどん声を上げることに、一定の合理性を感じた」と感銘を受けたことを明かします。

さらには「日本においても同じ構図がある」とも。「少子高齢化が進み社会保障費が急増するなか、例えば豊かさを作ることとか、手の届かないところに手を行き届かせるのは政府だけの仕事ではなく、民間がいかにリーダーシップを持って政策にアプローチしていくか、議論していかないといけない問題」であり、「これからは民間企業がリーダーシップを持って、いかに政府と協業していくかが鍵」と課題を指摘します。

株式会社ゲムトレ代表の小幡和輝さんは、政府主導・民間参画という形において重要視すべきは「バランス」と示唆。「民間主導だけの場合、ビジネスの範囲に入るとお金のある人にサービスを提供することになってしまうが、政府だけだとお金が足りない。なので、そのハイブリッド、バランス良くできれば」と期待を寄せます。

堀は茶山さんのレポートを「素晴らしい！」と評し「現地では日本の企業・技術に対して諸外国と比べどう評価されているのか？」と質問。すると茶山さんは「結構評価は高いと感じた」と返答します。

なぜなら、日本企業は現地にはない医療を提供しており「困っていたことに対し日本企業が助けてくれたというような印象が強くて、『来てくれてありがとう』と言われるなど、フィラリア症の患者さんからも『エーザイが来てくれてすごく助かった』といった声が聞かれたのもすごく印象的でした」と茶山さん。

慶應ビジネススクール2年（MBA）の池田颯さんは、昨年インドを訪れ、そこでは日本と違い国民皆保険がないものの、現在は中間層、つまりある程度お金を持っている人が増え、貧困層には政府が貧困層向けの健康保険制度「国家健康保護計画（NHPS、通称モディケア）」を始めていることなどを知り、「インドは今後ビジネスになり、企業にとってもメリットがあるので、連携していくことで日本もインドも双方発展していく。これはとても素晴らしい先進的な取り組みだと思う」と日本企業の取り組みを讃えていました。

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＜番組概要＞
番組名：堀潤モーニングFLAG
放送日時：毎週月～金曜 7:00～8:30　「エムキャス」でも同時配信
キャスター：堀潤（ジャーナリスト）、豊崎由里絵、田中陽南（TOKYO MX）
番組Webサイト：https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
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