3月8日は「国際女性デー」です。政府が育児休業中の学び直しを後押しする中、小さな子どもを育てながら起業した女性経営者が「リスキリング」=「学び直し」と子育ての両立について話すトークイベントが開かれました。

この日行われていたのは、女性が自分らしく活躍するため、起業に向けたビジネススキルを学ぶオンラインスクールのトークイベントです。このスクールでは現在、20代から60代のおよそ200人が学んでいて、中には小さな子どもを抱っこしながら参加する受講生もいます。スクールを主宰するLITAの笹木郁乃さんは愛知県に住み、小学3年生の子どもを育てながら、週4日、遠距離通勤をして東京で年商5億円の会社を経営しています。笹木さんは「リアル交流会を通してヒントを得ながら、殻を破る体験をどんどんしてほしい」と話します。
イベントでは笹木さんのほかにも、出産・子育てを経験しながら起業した女性経営者が、自身が苦しんできたエピソードを赤裸々に語る場面もありました。MINAMIRAI企画の加藤みなみ代表は「夫は外で自分1人で好きなことができて、なぜ私だけ家にいて1人で育児を頑張らないといけないのかと、ずっと葛藤があった」、オフィスキアロの西川薫代表は「夫はそう簡単に変わらないから仕事を変えていこうと思ったのがフリーランスを目指したきっかけだった」、S.Atelierの内藤しおり代表は「女性が自立することがパートナーの人生も自由に選択肢を広げられるし、子どもの可能性も広げられる」などと発表しました。
参加した女性たちは子育てとの両立や家族の理解など同じ悩みを持つ同志として情報を交換し合い、次のステップに進むためのヒントをつかんでいました。参加者の中には「落ち込んだ時に視点を切り替えるアイデアなど、参考になった」「どれだけお客さまに喜ばれるかというところを意識している人が多く、そこが大事なんだなと改めて思った」などと話す人もいました。
日本は女性社長の比率が8.2%(2022年調査)で、世界と比べるとまだまだ低く、また女性が起業しても男性に比べ稼げていないというデータもある中、笹木さんは女性が“学び直す”ためにも、子育ての負担を減らすサービスをもっと増やべきとして「男性に子育てをバトンタッチできるかといったら、なかなかそれはすぐに変われないのではないか。男性に苦手な子育てをさせても、女性がイライラしてしまうかもしれない。だからこそ、子育ての得意なサービスや家政婦さんなど第三者の助けが選択肢としてある方がうまくいくのではないか」と指摘します。そして笹木さんは“学び直したい”という女性に対し、まず「行動に移してほしい」とエールを送ります。笹木さんは「よくあるのは『両立は難しそうだからやめておく』。これは絶対、何も進まない。100の家庭があったら100通りだと思うので正解はない。独自の答えを見つけ出していくことがいいと思う」と話しています。