コロナ禍の3年間…都立高校で卒業式 「マスクなし」方針も…実際は

2023.03.07(火)

11:45

 コロナ禍で入学した都立高校の生徒たちが門出の春を迎えました。今年はマスクの着用が個人の判断に委ねられましたが、多くの生徒が着用したままでの卒業式となりました。

 コロナ禍で入学した都立高校の生徒たちが門出の春を迎えました。今年はマスクの着用が個人の判断に委ねられましたが、多くの生徒が着用したままでの卒業式となりました。

 台東区にある都立白鴎高校では3月4日、3年生およそ230人が出席して卒業式が行われました。新型コロナウイルスの感染対策として校歌や国歌の斉唱は控え、歌唱入りの音源が流されましたが、東京都の指針を受け、この学校でも4年ぶりに「マスクなし」で卒業式を行うことを決めていました。しかしマスクの着用が個人の判断に委ねられる中、ほとんどの生徒はマスクを着用しての出席となりました。

 なぜ外さなかったのでしょうか。これについて卒業生からは「3年間の習慣から」という声が多く上がりました。卒業式の式典でマスクを着用して出席したという生徒は「ここまでくると、逆にマスクがないことに違和感がある」「いきなりだったのでまだ心づもりができていない。今までずっとマスクをしてきたので。これからどんどん抵抗はなくなっていくと思うけど、まだマスクしようという感じ」「周りが外していないし自分だけ外すと浮くなと思って、マスクを着けて参加した」などと話していました。一方、マスクを外したという生徒は“理想の卒業式があった”として「高校に入学した時、卒業式はマスクがない状態でみんなで大声で笑い合えるような卒業式を思い描いていたので、自分が思っていた卒業式に近い形でできるといいなと思って、外して参加した」と語りました。

 今年の卒業生は新型コロナの流行と同時に入学し、3年間さまざまな制限を伴う感染対策を続けて卒業式を迎えた生徒たちです。これまでを振り返り「この学校には中1から在籍でいろいろな積み重ねがあったので泣いてしまった。一番の思い出は修学旅行。本当は去年、修学旅行の予定だったが延期になって、今年やっと行けたのでそれが思い出に残っている」「友達とより日常を楽しむために何ができるか考えて、違う意味で楽しい高校3年間だったと思っている」などと話し、思わず涙ぐむ姿も見られました。

 制約がある中でも前を向き、コロナ禍でしか得られない経験をした生徒たちは、それぞれの道を歩み出します。

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