上野動物園の人気者だったジャイアントパンダのシャンシャンは2月21日、多くのファンに見送られる中、中国に返還されました。上野で開催中の写真展には“シャンシャンロス“の人たちが詰めかけています。
大手百貨店・松坂屋上野店で開催中の写真展「ダイスキ!シャンシャン」にはシャンシャンのいなくなった22日も、朝からシャンシャンが大好きなファンたちが殺到しました。会場を訪れた人たちの中には「もう駄目、泣いちゃう」と涙ぐむ人もいて「(シャンシャンとの思い出は)あり過ぎて一言では言えない。とにかく無事で病気やけがをしないで。できれば(日本に)帰ってきてほしいですけど…」と話す人や「(中国に)なじむまで大変だと思うけど頑張ってください」「寂しいですけど元気でね。向こうでも幸せになってくださいね」とシャンシャンにエールを送る人たちもいました。
会場には週に1度は上野動物園に通って携帯電話の画像フォルダがシャンシャンの姿であふれているという女性や、パンダ初来日から50年にわたって上野のパンダの写真を撮り続けたというベテランの男性も訪れていました。50年間パンダの写真を撮り続けているという男性は「懐かしいよ。シャンシャンは耳と目がなんともかわいい。向こうでいいお婿さんを見つけて、かわいい子どもを産んでほしい」と話し、どの人もシャンシャンへの愛が止まりません。
生まれてから5年間にわたるシャンシャンの成長の記録を胸に刻むように、そして別れを惜しむように、多くのファンがシャンシャンとのひとときを過ごしていました。
そんな“シャンシャンロス”が起きる中、泣いてばかりはいられないと上野では新たな動きも出ています。シャンシャンの成長を見守ってきた上野観光連盟の二木忠男名誉会長は「思い出を少しでも残したい」という思いで、自身が経営するパンの販売店で新商品を考案することを決意しました。二木さんは「シャンシャンのおかげで上野の街も盛り上がり、感謝している」とした上で「メモリアルバージョンのシャンシャンのパンを新しく作りたい。創作品なのでどこまで似るか分からないが、かわいらしい顔に仕上がればいいなと思っている」と話しています。
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