春巻きがスイーツに進化… 奮闘!2つの国をつなぐ「豊島区の新名物」を作りたい

2023.02.13(月)

10:00

 コロナ禍で苦境に立つ区内の中小企業を支援しようと、豊島区でイベントが開かれました。地元との企業と連携して新たな名物を生み出そうとするベトナム料理店の若手社長に注目しました。

 コロナ禍で苦境に立つ区内の中小企業を支援しようと、豊島区でイベントが開かれました。地元との企業と連携して新たな名物を生み出そうとするベトナム料理店の若手社長に注目しました。

 豊島区で行われた「東京としまの宝物グランプリ」には、区内の6つの企業などが区のブランドとなる商品やサービスをテーマにアピールしました。この中でグランプリに輝いたのが、区内でベトナム料理店を営むトラン・アン・チュンさんが考案した「揚げ春巻き」のスイーツです。今回評価されたポイントの一つは、地元の老舗店とコラボレーションしたことでした。

 父親がベトナム人、母親が日本人というトランさんは2つの国をつなぐ新たな豊島区の名物を作ろうと、日本の団子から着想を得てベトナムでも親しまれている餅を使ったスイーツを思い付きました。「もともと食を通じて日本とベトナムをつなげるという思いでやってきました」と語るトランさんが新たなスイーツの開発に悩む中、地元の信用金庫がつないでくれたのが、大正時代から続く巣鴨にあるあんパンの店「喜福堂」です。喜福堂の水嶋基店長は「トランさんの店は同じ豊島区内で頑張っているお店ということで、いいものを作れたらという思いで協力させてもらっている」と語ります。

 喜福堂のあんパンにも使われる北海道産の朱鞠(しゅまり)という品種の小豆を使ったあんこを、トランさんは店の名物メニュー「あみあみ揚げ春巻き」に入れてスイーツに仕立てました。ベトナム産の魚醤(ぎょしょう)を使ったみたらしソースがかかった春巻きスイーツは、パリパリとした食感に続いてお餅とあんこの甘さが感じられるおいしいお菓子に仕上がっています。

 地域のつながりで、新たなスイーツは見事グランプリに輝きました。トランさんは2月に開催される全国大会に向け、カラフルなあられを振りかけるなど、さらなる商品の改良に取り組んでいます。トランさんは「家族みんなで片手に持って食べてもらい、ベトナム料理のことを少しでも知ってもらえたら」と話し「全国大会で多くの人と出会って交流し、刺激をもらって成長していきたい」と意気込んでいます。

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