京王電鉄が忘れ物探しで実証実験 スマホで簡単検索可能に

2023.02.03(金)

10:10

 電車内や駅構内に忘れ物をしてしまった時の新たな検索サービスの実証実験を京王電鉄が始めました。駅構内に貼られたポスターには、落とし物の問い合わせが通信アプリのLINEでできる点がアピールされています。

 電車内や駅構内に忘れ物をしてしまった時の新たな検索サービスの実証実験を京王電鉄が始めました。駅構内に貼られたポスターには、落とし物の問い合わせが通信アプリのLINEでできる点がアピールされています。

 これまでは落とし主は心当たりのある駅や忘れ物取扱所に直接行くか、電話で問い合わせをする必要がありました。一方、駅員側も集約された落とし物情報を確認し、見つかれば落とし主に連絡して本人に間違いないかを確認し、受け取りの日時を調整する必要があり、双方にとって手間と時間がかかっていました。

 そこで京王電鉄が始めたのが「find(ファインド)」というスタートアップ企業と提携し、この会社が提供する「LINEを使った検索サービス」の実証実験です。findのLINE公式アカウントを「友だち」に追加すると情報入力画面が開きます。落とした日付などの情報を入力すると、findの担当者はデータサーバー上に入力された落とし物の特徴に該当するもの・似たものがないか検索します。もし候補が複数あった場合は絞り込むための質問が送られてくるので、落とし主は質問に回答します。そして持ち主に間違いない・本人の持ち物だと確認できれば保管場所を知らせる通知が送られてきて、落とし主は取りに行く日時などを入力して受け取りに行くという流れです。このように、双方の負担が大幅に軽減される仕組みが出来上がりました。

 京王電鉄の担当者によりますと、京王線全体で毎月およそ1万6000件の落とし物の取り扱いがあり、ただ単に「問い合わせ」だけだとさらに多くの数があり、駅員の負担も大きいということです。今回の実証実験にはかなり期待を寄せていて、実験を通して「返却率が上がるのか」「駅員の負担軽減につながるのか」「利用者の満足度」なども調査し、明らかになる課題をクリアしながら続けていきたいと話しています。一方、検索サービスを提供するfindの和田龍COOは「鉄道業界では相互乗り入れ直通運転が進んでいるものの、落とし物の管理は各鉄道会社でバラバラになっている」状況で、一元管理をして利用者が探しやすいようにしたり、今後はタクシーやイベント会場などにも範囲を広げていきたいと話しています。

 “社会課題”をスタートアップ企業の最新サービスで解決していくという、新しく便利なサービスが生まれました。今後の進化にも期待が膨らみます。

 

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