墨田・港・文京区が出産・子育て策を充実 切れ目ない支援「ネウボラ」も

2023.01.31(火)

10:05

 東京都の子育て政策について議論が始まりましたが、都内の各自治体でも2023年度予算案に独自の子育て政策が盛り込まれています。発表会見を行った墨田区・港区・文京区の子育て政策に注目しました。

 東京都の子育て政策について議論が始まりましたが、都内の各自治体でも2023年度予算案に独自の子育て政策が盛り込まれています。発表会見を行った墨田区・港区・文京区の子育て政策に注目しました。

<墨田区 妊娠前から切れ目ない支援 定住を目指し住宅ローン利子の助成も>

 墨田区は「誰もが主役、挑戦・活躍・輝けるまち~未来の“すみだ”に投資する予算~」として、一般会計は1268億7200万円と、前年度から3.4%増え、過去最大の予算となっています。

 2023年度予算案の中で子育て政策は重点課題の一つとしていて、特徴的な取り組み「墨田区版ネウボラの推進」が掲げられています。「ネウボラ」とはフィンランド語で「相談の場」という意味で、福祉先進国・フィンランドで行われている「妊娠から出産・子育てに関する支援と、その拠点となる施設」を指す言葉です。墨田区版のネウボラは妊娠前から切れ目ない支援をするとしていて、将来の出産・育児にかかる相談支援から、妊娠後には5万円分の出産応援ギフトの配布に加え、妊婦面接のリモート化や出産準備クラスの拡充などを行い、出産後にも5万円分の子育て応援ギフトを配布し、宿泊型や日帰り型の産後ケア事業も拡充します。そして、1歳児のいる家庭に1万円分の育児パッケージを給付するということです。

 そしてもう一つ注目したいのが「すみだ住宅取得利子補助制度」です。これは中学生以下の子どもがいる子育て世帯と夫婦がいずれも40歳未満の若年夫婦世帯を対象に、墨田区内の住宅を購入した場合、住宅ローンの利子を年間10万円を上限に最大5年間で50万円助成するというものです。墨田区としては子どもが大きくなって墨田区以外の広い家に引っ越してしまうことを食い止めて確実な定住を目指すために行うということで、金融機関の指定なし・区内全域を対象・所得制限もなし──にして事業を行っていくとしています。

<港区 出産助成金が上限81万円に タクシーやバスの助成も>

 港区は2023年度予算案の総額1632億円のうち、子育て支援策におよそ150億円を計上しました。

 港区は新年度予算案の中で、出産費用の助成金の拡充など子育て支援策におよそ150億円を充てました。このうち、出産費用の助成金はこれまでより8万円増やし、上限を81万円に増額することが盛り込まれました。新たな上限額は区内の産婦人科でかかる費用の平均から算出したということで、出産に対して金銭面での不安感を払拭してほしいという狙いがあります。

 またその他の支援策として、2人以上の未就学児がいる世帯に年間2万4000円分のタクシー券を配布するほか、全ての未就学児に対し「ちぃばす」や「お台場レインボーバス」の無料化を打ち出しています。

<文京区 児童手当の対象外に5000円の給付を検討>

 文京区も2023年度予算案の発表会見を開きました。同時に、予算案とは別に、新たな子育て支援の方針も発表しました。

 文京区は国が行う児童手当の対象を除いた0歳から18歳の子どもを対象に、1人当たり5000円の給付を検討しています。

 

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