日野市が「虐待があった」と公表した保育園の保護者に向けて、市による説明会が開かれ、園が2023年4月からの新規の園児募集をしないという意向を明らかにしました。一方の保育園側は「10月には申し入れをしていて、名前の公表とは直接関係ない」としています。

日野市は12月22日夜、吹上多摩平保育園の保護者を対象に説明会を開きました。市は名前の公表後も保育園側が虐待を認めないため、園に通う保護者の不安を解消するために会を開き、公表に至った経緯などを説明しました。説明会には会場とオンライン合わせて104人の保護者が出席したということです。参加した保護者の一人は「個人的には全く納得できない内容。虐待が起きている背景、どういう状況でこういうことが起きたかということが今回何も答えてもらえなかったので、それが本当に虐待なのか不明」と話しました。一方、保育園側の弁護士を取材すると「市が認定した事実は確認していない」と、改めて虐待について否定しました。その上で、市から求められている弁明書を期限の2023年1月6日までに提出するとしています。
日野市は22日夜の説明会の中で、園が2023年4月の園児の新規受け入れを停止したいと市に申し入れたと説明しました。これについて保育園側は「職員の確保に問題が生じていて、申し入れは10月からしている」と話していて、名前の公表があったこととは直接関係がないとしています。TOKYO MXが23日、園の担当者に改めて話を聞くと「正式には決まっていないが、保育士が確保できれば5月から新規募集を再開したい」と答えています。
この問題を巡っては、市が虐待を行ったとしている保育士が「園児・保護者・職員・社会に不要な心配をかけ、深い自責の念に陥り、退職することを決意した」として12月20日付で園を退職しています。また、園長も「今回の騒動に責任を感じ、園長職を辞したい」と、辞任する意向を保護者に伝えているということです。