経済や文化などで評価「世界の都市総合力ランキング」発表 今年の東京の順位は…

2022.12.15(木)

11:20

 2022年の「世界の都市総合力ランキング」が発表されました。前年まで6年連続で3位だった「東京」は順位に変動あったのでしょうか。

 2022年の「世界の都市総合力ランキング」が発表されました。前年まで6年連続で3位だった「東京」は順位に変動あったのでしょうか。

 都市づくりに関する研究機関・森記念財団が発表する「世界の都市総合力ランキング」は、経済や文化など6つの分野で都市を評価しています。12月14日午後、森記念財団の市川宏雄理事は「1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位東京、4位パリ。そしてシンガポール、アムステルダム、ソウルが続く」と発表し、東京は7年連続の3位となりました。

 東京は3位をキープしたものの、国際渡航規制や水際対策など慎重なコロナ政策を実施したため「外国人訪問者数」が大幅に減少するなど『文化・交流』や『交通・アクセス』分野で評価が下落しました。森記念財団の市川理事は「(東京は)国際的な人の往来の抑制で評価を下げてしまった都市。東京はほとんどパリに並ばれた。東京のスコアが下がり、パリが上がっている」と分析しています。

<3位になったものの… コロナがスコアに影響>

 東京は「世界第3位」という結果になりました。どのような評価だったのか細かく見てみます。

 このランキングは世界の主要48都市を『経済』や『文化・交流』『環境』など6分野・70指標で評価するもので、東京は7年連続で「総合力3位」をキープしました。その一方で、詳しく見てみると『経済』『文化・交流』『居住』『交通・アクセス』の4分野で順位を落としました。

 評価の理由を見てみると、感染拡大を食い止めるための慎重な「コロナ政策」が評価を下げた理由の一つとなっています。渡航制限や水際対策などで国際的な人の往来が抑制され「外国人訪問者数」「ナイトライフ充実度」などが下がったと評価され、『交通・アクセス』や『文化・交流』分野でスコアを下げました。

 “ウィズコロナ”の動きも順位に影響を及ぼしました。「働き方の柔軟性」ではリモートワークが定着したことなどから、東京は2021年には順位を大幅に上げて2位となりましたが、今年は34位へと下落し、『居住』分野の評価が落ちました。その理由の一つとして、今年はオフィスへの通勤回数が増え、せっかく定着してきていた利便性の高いリモートワークが減り“かつての東京の働き方”に戻ってきてしまっているという評価につながりました。

 ただ、総合ランキングでは東京は「世界3位」です。東京の“強み”についてもまとめました。

 東京は「食事の魅力」「買い物の魅力」「ホテルの客室数」「文化イベントの開催件数」「公共交通機関の利用率」など多くの指標で世界1位となっています。

 強みは伸ばし弱みは直して、より魅力的な国際都市・東京に進化していかなければなりません。

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