日本のデジタル競争力が過去最低に…Z世代の専門家が指摘するその要因とは?

2022.10.12(水)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。10月6日(木)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、過去最低を記録した日本の“デジタル競争力”に関するニュースを取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。10月6日(木)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、過去最低を記録した日本の“デジタル競争力”に関するニュースを取り上げました。

◆日本のデジタル競争力が低迷…アジアでも下位に

スイスの研究所が発表した、2022年の「世界デジタル競争力ランキング」で、日本は2017年の調査開始以降最低の29位となりました。この調査は、デジタル分野の「知識」、「技術」、「将来への備え」の観点から選んだ54項目を採点・集計したもので、今回は前回トップのアメリカを抜いてデンマークが首位に。

アジアの最高は4位のシンガポールで、続いて韓国が8位にランクインしています。日本は他のアジア勢にも水をあけられ、低迷ぶりが目立つ結果となりました。

◆日本の低迷ぶりに、Z世代の反応は…

このデジタル競争力に関しては、国家の防衛にも大きく関わってくる話とあって、キャスターの堀潤は危惧します。

自衛隊の元最高幹部の解説によると、現在ロシアの侵攻にウクライナが善戦しているのは電子戦で優位に立ち、ロシアが発射したミサイルの着弾を狂わせているからで、それを支えているのが民間のITエンジニアたち。ウクライナには優秀なITエンジニアが多数おり、彼らがアメリカの最新技術をすぐに習得して反映しているとのこと。一方、日本はどうかと言えば、そうした人材は少ないそう。

食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんは、日本は世界の中でも少子高齢化が進んでいることに触れ、「デジタル化で効率を上げていかないと、この先、我々の生活はどうなってしまうのか、という問題にもなってくる」と案じます。そして、その打開策はわからないとしながらも、日本の今後のデジタル競争力向上、奮起に期待します。

microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんは、日本と世界の差、日本の問題点に言及。アジア最上位のシンガポールは海外から優秀なエンジニアが集い、起業できる環境が整備されていることを挙げ、まずは日本も同様に海外から優秀な人材を呼び込むべきと提唱。「日本でやっていて思うが、ある程度までいくと、危機感がなくなってくる」と実感を語ります。

その理由は「周りが弱いから」と渋谷さん。シンガポールなどは世界中から優秀な人が集まってくるため「本当に自分の技術力を磨かないといけないと危機を感じる」ほど競争が熾烈なのだそう。それに対し、日本は競合相手が弱く、競争環境として甘いと指摘します。

さらに、渋谷さんがもうひとつ挙げたのは「ビジネスサイド側の技術理解の欠如」。日本の多くの企業の構造は、役員などビジネスサイド側が意思決定していくため、彼らの技術理解がないとあらゆる部分で投資判断に支障をきたしかねません。「(ビジネスサイド側に)技術理解がないなら仕事にならないというぐらいの環境を作っていいのでは」と主張します。

堀からは、アメリカの日本は世界に比べ、優秀なエンジニアへの報酬も桁違いに低すぎるとの嘆きも。例えば、あるGAFA系企業から内定が出てアメリカに渡った20代男性は、1年目の年俸が1,000万円台の後半。しかも契約時に、1,000万円級のボーナス支給、株が配布されるため数年後に現金化もできるという待遇面の良さについて触れ、「(上位の国では)これぐらいで(優秀な)人材を確保している」と実例を挙げていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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