環境問題解決の一助に! 専門家も大注目のスタイリッシュな「リユース容器」を紹介

2022.07.28(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、専門家が注視する“企業が取り組む環境問題”について解説しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、専門家が注視する“企業が取り組む環境問題”について解説しました。

◆環境コンサルタントがプラスチック問題の現状を解説

今回、企業が取り組む環境問題について解説するのは、環境問題の専門家、環境コンサルタントの松沢優希さん。

環境コンサルタントとは、政府に環境問題に関する調査報告や政策の提言を行ったり、民間企業に環境に配慮したサービスや製品のアドバイスなどをしたりする仕事で、昨今とても引き合いがあると松沢さん。

まずは、プラスチック問題の現状についての解説から。現在、プラスチックごみの海洋流出量は年間約800万トン。プラスチックの生産量は右肩上がりで、2050年までに世界中の海にいる魚の重量を上回る恐れがあるとの試算も。

プラスチックは製造時に加え廃棄の際にも二酸化炭素を多く発生するため、地球温暖化問題にも大きく関与。ただ、日本では2022年4月に「プラスチック新法」が施行。プラスチックによる環境汚染を低減する流れになっています。

松沢さんによると、日本はリサイクルが進んではいるものの、ごみを燃やしてエネルギー回収をする「サーマルリサイクル」が多いと指摘。燃やすということは二酸化炭素の排出などの環境負荷に繋がることからも、「リサイクル先進国と言われている割には、ややサーマル(リサイクル)が多い状況」と話します。

◆何度でも使える注目のリユース容器「Loop」

そうしたなか、松沢さんが注目している取り組みが、リユース容器「Loop」(Loop Japan)。これは、日用品や食品などの使い捨て容器をステンレスやガラスなど耐久性の高いものに替え、繰り返しの利用を可能とする商品提供システムで、容器を返却すると容器代が返金される仕組みとなっています。

すでに2021年5月からイオンで販売が開始され、大手企業が続々と参画しています。

この日は、その容器をスタジオに用意。「キシリトールガム」(ロッテ)のステンレス容器や「モンダミン」(アース製薬)のガラス容器を手に、キャスターの堀潤は「いいですね!」と目を輝かせます。

食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんからも「かっこいいですよね!」と思わず声が上がり、「食品では衛生面や利便性の面でまだまだプラスチック容器を選んでしまうことが多いが、それらが改善され、さらにかっこいいのですごくいいなと思った」と期待を寄せます。

また、容器のスタイリッシュなデザインに「自宅に置きたい」と話すのは、microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さん。「スタイリッシュでかっこいいというのは、環境アクションを起こすときに素直に欲望に従ってできる、それが一番楽でいい」と高く評価します。

なお、容器の返却方法は、「Loop」の商品を使用後にイオンに設置された返却BOXへ。そこでBOXから提供される二次元バーコードを容器に貼り、アプリでスキャンして返却BOXに入れるだけ。

そして、その容器は回収・洗浄された後、各メーカーで商品が再充填され、また販売されます。ちなみに、このリユース容器は10回以上利用可能となっており、松沢さんは「今後は企業同士で容器の規格統一などを行い、リユースを進める形も考えられるし、そうすれば回収効率や洗浄効率、リユース効率も高まる」とさらなる広がりへの期待を口にします。

法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんも、余計なものが作られてしまうことの削減にも繋がることから、規格が統一されることを望み、「ライバル企業であっても連携し、みんなで環境問題に取り組んでいく。そうした流れができたらとても頼もしい」と話します。

◆リーバイスが環境にやさしい新たなデニム生地を開発!

さらにもうひとつ、松沢さんが注目しているのが「麻」。大手アパレルメーカー「リーバイス」では、衣類の持続可能性を高める原料として“ヘンプ”という麻科の植物に着目。

従来のデニムは栽培時に水を大量消費し、農薬や化学肥料を大量に使用する「綿」が使われていましたが、リーバイスはそれを改善すべく環境負荷の少ない「麻」を独自の製法で綿の風合いに変え加工。

商品に2~3割ほど麻を配合することで、既存の綿100%のデニムに比べ、水の使用量を76%、ごみの量も50%削減することが可能に。

松沢さんによると、ファッション業界はプラスチック依存からの脱却が進まず、例えば、繊維の約6割がプラスチック繊維・ポリエステルなどが使われているそう。そして、大量消費、さらには大量廃棄による焼却で環境に負荷をかけています。しかし、そうした状況を打開すべく天然素材を使用する風潮が高まってきており、その切り札として麻素材が注目されています。

実際に麻を配合したジーンズを手にした堀は「麻というとゴワゴワした印象があるが、すごく柔らかいし、着心地は良さそう」と好感触。しかも、麻が今後よりファッション業界に浸透し、開発が進めば、着心地や風合いなどもさらに改善される可能性が高いと松沢さん。「麻はいろいろなところに使えると言われている。神社のしめ縄や七味唐辛子など食用としても使える素材なので、今後は繊維などにも使われてくると思う」と話しました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

 

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