赤字続きのフードデリバリー、配送ロボットが自動配達の未来も

2022.03.03(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、“フードデリバリーサービス”の現状や問題点、未来の形について解説しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、“フードデリバリーサービス”の現状や問題点、未来の形について解説しました。

◆市場規模は急拡大も…実際は赤字続きのフードデリバリー業界

今回、「フードデリバリーサービス」について解説するのは、企業に飲食店経営のアドバイスなどを行う外食・フードデリバリーコンサルタントとして活躍する飲食業界の専門家でNewsPicksのプロピッカー・堀部太一さん。

フードデリバリーの国内市場規模は近年、4,000億円あたりで微増していましたが、コロナ禍になって急拡大。2021年は、コロナ禍となる前の2019年に比べ倍近く跳ね上がったものの、「そこには問題点がある」と堀部さんは指摘します。

というのも市場規模は拡大するも、フードデリバリー業界は大手でさえも赤字経営だとか。どこに費用がかかっているのかといえば大半が人件費、次いで広告宣伝費で、日本でのフードデリバリー事業は儲けることができないと、1月31日にはドイツ発の料理宅配サービス「フードパンダ」が日本撤退を表明しています。

堀部さんは「フードデリバリーは便利だが、実は店側、配送のマンパワーがかかっている。テクノロジーのように見えて、実は裏側のマンパワーが大きい領域」とフードデリバリーの現状を危惧。

◆フードデリバリーが生き残るための2つの手段

では、どのようにすればいいのか。フードデリバリーの未来の形について、堀部さんは「日用品へチェンジ」と提言します。

現在、Uber Eatsは「Uber Eats Market」の第1号店となる日本橋兜町店を立ち上げ、日用品・食品専門のデリバリーサービスを開始。これはコンビニと同サイズの店舗を倉庫として利用し、商品を保管。そのラインナップもシャンプーや歯磨き粉、トイレットペーパーなどの日用品を中心に、利用頻度を高めるべく生鮮食品も取り扱い、その数は1,100点以上

堀部さんは、「フードデリバリーだと利用頻度が限られ、なおかつ配送も一度お店に行ってからお客のところに届けるので複雑。拠点があることでシンプルな配送ルートができ、利用頻度が高まる。そうすることで配送効率を高めていく狙いがある」とメリットを解説。

さらにもう1つ、人件費問題解決に向け、「配達ロボット」の開発も進んでいると堀部さん。現在は自動宅配ロボット「DeliRo」(株式会社ZMP)が導入に向け実証実験中で、これは配送地域の3D地図を認識し、最大時速6km/hで配達。

堀部さんは「事故の問題もあるので結構ゆっくり走るが、3Dセンサーカメラがついていて、信号や人を認識し、しっかり届けられるようになっている」、「重さも最大50kgまで積載可能で、お米や水など重たいものを買いに行くのが大変という方もこのロボットが届けてくれる」とその特徴を紹介します。

また、既存のデリバリーサービス同様、配達中の進捗は“見える化”され、自宅に近づくとスマートフォンに通知。さらに、他人の商品と間違えることがないよう、スマートフォンと連動してロックをすることも可能。そんなDeliRoは日本のベンチャー企業が手がけ、さまざまなデリバリーサービスとの協業を目指しているそうです。

こうした配達ロボットの実装化に向けては、法改正の問題があり、「マンパワーに依存するのはやはり無理・無駄があるので、テクノロジーで解決しようというなかで、ドローンも実証実験は続いている」と堀部さん。買い物難民と言われる辺境に住む人に届けたり、マンションのベランダにポートを作ってそこに届けられるようにしたり、各社ベンチャー企業が法改正を含め、動いている状況だということです。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

 

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