TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。11月30日(火)放送の「フラトピ!」のコーナーでは、“見えない待機児童”について取り上げました。
◆待機児童は減少するも「見えない待機児童」が…
今回、「見えない待機児童」について解説してくれるのは、東京・埼玉・神奈川で12の保育園を運営する幼児教育の専門家でNewsPicksのプロピッカー・菊地翔豊さん。
まずは待機児童の現状について。今年4月時点の東京都の待機児童数は969人と以前に比べ大きく減少。
全国でも2万人以上の待機児童がいましたが、今年は5,634人と過去最小に。その背景には、相当数の保育園を創設したことなどが挙げられます。
この日のテーマ「見えない待機児童」とは“潜在的待機児童”のことで、「国や自治体の定義で、待機児童数にカウントされなかった子どもたちのこと」と菊地さん。
厚生労働省は、「育児休業中」、自宅の近くなど「特定の保育園等のみ希望」、「求職活動を休止」、小規模保育園や事業所内の保育園など「地方単独事業を利用」の4つを待機児童とカウントしなくても良いケースとして挙げています。例えば、小規模保育園や事業所内の保育園に子どもを預けている方のなかには認可保育園に変えたいという方がいますが、これがまさに潜在的待機児童で、そうした子どもの数は1万4,314人と東京の待機児童数の10倍以上。
保育園を変えたい例として、子どもを預ける親御さんのなかには、兄弟姉妹で別々の保育園になってしまったり、自宅から遠くの保育園に預けざるを得ない方もいます。
法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんの事務所に在籍する弁護士のなかにも奥さんが育児休業中なものの、保育園が決まらない潜在的待機児童がいるとか。「やはり、自宅から近いところに預けたい、それが一番だと思う」と子どもを持つ親の気持ちを代弁しつつ、「潜在的待機児童の数もしっかりと追わないと問題解決とはならない」と危惧します。
また、キャスターの田中陽南は、待機児童を減らすことばかりを取り上げたことで、潜在的待機児童の存在が見えづらくなっていたのではないかと案じます。
◆潜在的待機児童問題を解決するためには?
では、今後どうしていくべきなのか。政府は、根本的な待機児童の問題解消を掲げ、新たな子育て安心プランとして14万人分の新しい保育の受け皿の確保を提示。そこには保育園の新設に加え、新設しようにも保育士不足の問題もあるため新たな人材の確保を目指し、さらには子育て支援の充実化も図るそう。
しかし今、保育園は別の問題も指摘されているそうで、それは保育園数の超過。菊地さんによると4年後には保育園が余るとされ、現時点でも東京・関東の一部の保育園が閉鎖に。その要因は60人の定員を見込んで作ったものの、実際にはその半分程度しか子どもが集まらないから。保育園は子どもの人数に対して補助金が支給され、定員割れすると運営が成り立たなくなってしまいます。そのため、「今後は潜在的待機児童を解決すべく、保育園を作ることも重要だが、必要な場所に作っていくことが大事」と菊地さんは言います。
また、保育園の開設にはさまざまな要件があり、即座に新設とはいかず、認可までに1~2年近くの時間を要するだけに「まずは既存園の有効活用を」と訴えます。そして、「なぜ、同じ自治体で埋まる保育園と埋まらない保育園が出てくるかと言えば、みんな家の近くの保育園に預けたいというニーズが大きい。遠いと行くまでの時間が仕事もあるので難しくなってしまう」と問題点を挙げ、「登園の際にバスを活用し、巡回させたりするなどすることで解決できる」と提案。
「それはいいですね!」とキャスターの堀潤が賛同すると、由井さんも同意し「新しく何かをやるというより、まずは足元を固め、できることから確実にやっていく。そこでベースを作った上で改革していくことが重要」と話していました。
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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
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