被選挙権年齢を18歳に引き下げを…背後に潜む大きな問題点

2021.11.04(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。11月1日(月)の放送では、衆議院選挙の開票結果を受け、Z世代のコメンテーターによる政策提言「被選挙権年齢の引き下げ」について意見を交わしました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。11月1日(月)の放送では、衆議院選挙の開票結果を受け、Z世代のコメンテーターによる政策提言「被選挙権年齢の引き下げ」について意見を交わしました。

◆若い人が政治家になれば、若者の政治への関心も高まる!?

「堀潤モーニングFLAG」では“ニッポンのミライ”と題し、Z世代のコメンテーターに衆議院選挙前にさまざまな政策提言を募集。そして、この日は衆院選の結果を受け、その提言と与党の公約がどれだけ合致し、今後遂行が可能なのか検証します。

インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんの提言は、「被選挙権年齢18歳引き下げ」。現在、政治家になれる年齢(被選挙権)は衆議院が25歳、参議院が30歳となっています。この状況に能條さんは「もっと若い人が政治家になれば若い人が求めていることが政策になるし、結果として友達の友達が政治家になったと聞けば、より(政治に)興味を持つ人が増える」と言います。

そんな能條さんの提言に対し、自民党は記載なし。公明党は「若者の政治参画をさらに広めるため、被選挙権年齢の引き下げを目指す」としています。

Z世代の大学生が番組に集結する「Zフォーラム」に参加していた明治大学 木寺ゼミナールの小川貴弘さんは、被選挙権年齢の引き下げに賛成。これが高く設定されていることで、若者にとって政治家という職業との縁が希薄になっていると言い、「被選挙権を下げることで若者の政治への思いが少しでも強くなれば」と期待します。

また、どういう状況であれば自分も出馬するか問われた小川さんは、「インターネットを活用して選挙ができるようになること」と返答。理由は、そうすることで若者にも勝ち目が出てくるからで「地元の方々に声をかけるのは限界がある。自分たちが持てる力であるYouTubeや各種SNSを活用したほうが、多くの人に政策を伝えることができる」と語ります。

同じく明治大学 木寺ゼミナールの白川萌夏さんも賛成派で、現状、若者に対する政策が少ないと感じているそう。それだけに「被選挙権を下げることで若者をターゲットにした政策が増えるといい」と熱望。

キャスターの田中陽南は「こうした被選挙権年齢の引き下げ議論になると何も成し遂げていない若者が出るのは……といった声も聞こえてくるが、何かを成し遂げた人だけが生きている世界ではない」と言い、「それを選ぶのが選挙、だから被選挙権を下げてほしい」と求めます。

◆被選挙権年齢引き下げの背後に潜む大きな問題点

外資系コンサル会社勤務の松川莉沙さんは、今の若者の間では政治を知る人と知らない人の格差、その知識量、関心の高さに差があると危惧。そして、その背景には主権者教育の未熟さがあると指摘し、「政治に対する知識の底上げが必要」と訴えます。

一方、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんによると、今回の衆院選で投票に行った若者たちは、投票した理由として小さい頃に親に投票所に連れていってもらったからという声が多かったそう。

被選挙権年齢に関しては、来年4月には成人年齢が18歳に引き下げられるだけに被選挙権年齢も引き下げないと整合性はつかないと思うものの、大空さんは引き下げられた場合の問題点を示唆。それは18歳で立候補できる人は、恵まれた家庭に生まれ、しっかりと幼児教育、高等教育を受けてきた人であり、「僕らの相談窓口に来るような、今、命を絶とうとしている人や明日何を食べていいのかわからない人はできない」と明言。

つまり、「引き下げの議論はいいが、18歳で立候補できる人たちが同世代、もしくは少し上の世代の声を上げる余裕すらない人たちの存在に気づいているのかが重要」と指摘し、「僕はあまり気づいていないと思う」と懸念します。それだけにそうしたところの議論がより必要で、「余裕がある人は、余裕のない人たちの存在が身近にあることにまず気づいてほしい」と切望していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

 

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