暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。
今回は東京2020大会が開催された東京で行われる様々な取り組みや関わる人々の思いを紹介する「Our Legacy」で、東京パラリンピックの開会式・閉会式のステージアドバイザーを務めた栗栖良依さんを紹介しました。
◆Our Legacy「東京2020大会パラリンピック開閉会式 ステージアドバイザー 栗栖良依」
東京2020大会が開催された東京を舞台に行われる様々な取り組みや、そこに関わる人々の思いを紹介する、「Our Legacy」をお送りします。
今回は、東京2020パラリンピック大会の開会式・閉会式に携わった、ある女性を取材しました。
訪れたのは、港区にある、障害保健福祉センター。そこで行われていたのは、貧困や障害などで社会に出ることが難しいと感じている人に対し、サーカス技術の練習を通じて協調性などを総合的に育む、「SLOW CIRCUS SCHOOL」というプログラムです。
このプログラムを取り仕切るのは、栗栖良依さん。栗栖さんは、「SLOW CIRCUS SCHOOL」などを主宰する一方で、世界中から注目を集めた東京パラリンピックの、開会式、閉会式のステージアドバイザーを務めました。
(栗栖良依さん)
「国立競技場に入って、最後の仕上げのリハーサルをしているタイミングから、すごくチームがいいコンディションだったんですよね。まさに“多様性と調和”ってこういうことだよね、っていうぐらい、凄く熱いチームになっていて、私たちが伝えたかったのはこれですっていう感じでした」
18歳のときに見た、リレハンメルオリンピックの開会式。子どもも大人も一体となって平和を掲げる姿に胸を打たれ、いつの日か同じ舞台に携わりたいと思うように。その夢に近づくため、大学時代は長野オリンピックのボランティアなど、積極的に参加しました。
夢への階段を上っていた栗栖さんでしたが…。
(栗栖良依さん)
「2010年に、右ひざ関節に、グレープフルーツぐらいの悪性腫瘍ができて、今、この瞬間、生き延びないと、来年、生きていないかもしれないみたいな状況になったので、生きることに集中しなきゃいけなくなったんですよね」
1年間の入院生活。明日をも知れぬ生活に、夢は遠のいていきました。
そんな彼女を奮い立たせたのが、パラリンピックの開会式。
(栗栖良依さん)
「きっかけとしては、2012年のロンドン大会が、自分が障害者になって初めての大会で、見えない人や聞こえない人、いろんな人たちが出てきて、その人たちにしかできないパフォーマンスをつくりあげているっていうのに、すごく感銘を受けて、そこから自分の夢が再び蘇ってきたというか」
パラリンピックの開会式を手がけたいという新たな目標ができた栗栖さん。2014年に、現在、行っている、「SLOW CIRCUS SCHOOL」の前身となるワークショップを開催しました。
しかし、ある問題が。
(栗栖良依さん)
「障害者施設にいる人たちに、そこから出て、ワークショップまで来てもらわないといけない、その『出てきてもらう』ということがどれだけハードルが高いかということ。まず、『アクセスコーディネーター』と『アカンパニスト』という2つのスペシャリストを生み出したんですね。その2つの人材を生み出したことによって、いっきに、障害をもつ人たちが参加してくれるようになったんです」
そんな実績から、栗栖さんに白羽の矢が立った、今回のパラリンピック。様々なキャストを集めることができ、自分の個性を活かしながらも、調和した、あの素晴らしいパフォーマンスがを実現しました。
栗栖さんが思い描く未来とは…。
(栗栖良依さん)
「エンターテインメントの景色を変えていきたいというのがあって。完成形のところに障害のある人が出たらいいよね、面白そうだよねと思ってくれる人はいるんですけど、それをつくりあげる過程に障害のある人たちがしっかり入っていくっていうところの意識は、まだまだ日本は低いと思うので、これをもっともっと日本全国に広めていかないといけないなと思います」
垣根のないエンターテインメントを、日本中に届けます。



<番組概要>
番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:久保井朝美、中村美公
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/