TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。9月21日(火)放送の「フラトピ!」では、幼児教育の課題“小1プロブレム”について取り上げました。
◆世界に1つだけの保育園作りを目指して
今回、“小1プロブレム”について解説してくれるのは、NewsPicksのプロピッカーで幼児教育の専門家・菊地翔豊さん。19歳で保育園を設立し、現在は東京・埼玉・神奈川で12の保育園を運営しています。
菊地さんは、高校時代にニュージーランドに留学。そこで保育と出会い、帰国後に起業したそうで「教育というもののすごさというか、教育環境が変わると自分自身変わることができたので、そうした教育を日本でも作りたいと思った」と当時を振り返ります。
そんな菊地さんが経営する保育園は、“世界に一つだけの保育園作り”を念頭に地域の特性をコンセプトに設定。一つひとつ唯一無二の保育園を運営しています。例えば、大田区にある「未来のツリー保育園」で軸となっているのは“自然”。「大田区・馬込という地域は、もともと生産緑地が広がっており、自然を大切に、主体性を育むことをコンセプトにアートのシンボルツリーを作った」と話します。
また、北区・田端にある「アルオン保育園」は、明治時代にナウマンゾウの化石が発見された場所ということもあり、ナウマンゾウの歴史をアートにして、子どもたちに未来に伝えていくという独自の教育を行っています。
さらに、菊地さんの保育園では「保育を科学する」べく、保育室にカメラを設置。子どもたちのデータを取得・分析し、保育を可視化しています。菊地さんは「子どもたちが何に興味があるのかを事実ベースで捉え、その興味・関心が広がるアプローチを大事にしている。何かに興味を持つ、そして深めるという行為が子どもたちの可能性を最大限に広げる」と信条を語ります。
キャスターの堀潤は、そうした菊地さんの理念に「すごい。足元にある歴史や文化、その地域が育まれた空気感が体感できそうな保育園ですね」と感心し、保育の可視化にも「面白い!」と興味を示します。
◆深刻化する小一プロブレムを解消するためには?
そして、今回のテーマとなる「小1プロブレム」ですが、菊地さんは「これは一部の子どもたちなんですが、集団行動が取れない、座って授業が受けられない、授業中の離脱が起こる問題のこと」と解説。
この問題は1990年代に浮き彫りとなり、当初は核家族化など家庭環境の問題が背景にあるのではないかと言われていましたが、最近では遊び中心の幼児期から教科学習中心の小学校教育へ、この段差が大きいことが原因と言われています。
現在はその解消に向け、文部科学省を中心に「幼保小の架け橋プログラム」というプロジェクトが始動。施設の裁量に任されている現在の幼児教育のカリキュラムを明確化することで、全ての施設で幼児教育と小学校教育の段差を解消していくというもので、2022年度からスタートを目指しています。
これに堀は「昔からの課題だったにも関わらず、来年度からというのはようやくという感じが……」とそのスピード感を嘆いていましたが、菊地さんによるとこうした動きはこれまでにもあり、今回はそこからさらに一歩踏み込んだ動きとなります。
一方で、すでに一部の小学校で幼児教育と小学校教育との段差解消のための取り組みが行われています。例えば国語の教科書にある「おおきなかぶ」の授業前に実際に大きなカブをクラスに置くことで子どもたち関心を引きつけたり、算数の時間も遊びに近いような状況を作ったりしている事例も。小学校に入学し、子どもたちはいきなり席に座って勉強となると勉強自体を嫌いになってしまう可能性があるため、まずは幼稚園や保育園の環境に近づけることで授業に入りやすくするなど、幼児・小学校の段差解消のために、さまざまな動きが行われているそうです。
小学校時代不登校だったという作家で起業家の小幡和輝さんは「今は不登校が増えていて、特に小学生が増え ているなという感じがしていた。その根本に(幼児・小学校の段差が)あったのかなと思った」と感想を述べます。そして、「最初はちょっとしたズレも、それが徐々に広がり、大きくなる。僕も幼稚園から小学校に上がったときに何か違うと感じたことを覚えているので、そこをちゃんとしていくのは大事」と子どもたちを案じていました。
※この番組の記事一覧を見る
<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
この記事が気に入ったら
「TOKYO MX」 公式
Facebookアカウントを
いいね!してね